第19章 アフター・ダンスパーティー
「はっはっは!仲睦まじい様で何より!」
『あ、ありがとうございます……?』
失礼な態度を取らないように…、と気を付けつつ。
老人は少し申し訳無さそうな表情をしていた。
「先日の五条君に失礼な事を言う輩も居たからねえ。ああいったものは人それぞれ理由もあるだろうにね?こんなに仲が良いのならば五条家は安泰だねえ…。もっとも、そっちはどうなのかって話だけれど…」
腰に回された悟の腕がぐっ、と少しばかり力が入った。
彼を見上げれば営業スマイルではあるけれどどこか苛立ちを感じさせる。
「……心配されずとも。相性は良いんですよ、私達は。色々と今後についての計画も立てておりますので」
「ふーむ…そうかい?それじゃあ、また今度」
背を向けて去っていく姿。ぐっと引き寄せた力は弱まる事はなく、悟から珍しくチッ、と小さな舌打ちが聴こえた。
『……悟?』
どうしたんだろう、すごく機嫌が悪そうな…。
見上げた彼の表情はから貼り付けた笑顔が消えて真顔になってる。
「ハルカ、ちょっと外の空気、吸いに行こうか。通路の先から中庭に行けるんだ、ここ」
真顔の状態での悟がそう言って、私はただひとつ縦に首を振ってその誘いを受けた。
さっきの事についてなんだろうな…と、不穏な空気を感じながら。