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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第19章 アフター・ダンスパーティー


カタッ、カランッ!と皿を急に置いてフォークが音を鳴らす音。そしてトントン、と急ぐように肩を叩かれ、何だ?と悟を見ると真面目な顔をして私の腰に手を回してきた。
ぼそっ、と"シャンとして!"と聞こえる程度に呟いて身だしなみをささっと整えた悟を見て察した。
フォークを置き、指先で口元を軽く触れて悟現象じゃない事を確認し、悟の側に寄る。こちらに真っ直ぐ歩み寄るのは主催者として最初にマイクを握っていた老人。京都の楽厳寺学長よりは若いとは思うけれど……。

少し口元に笑みを浮かべて私達の前で立ち止まった。

「こんばんは、先日ぶりです」
「五条君とこもようやく身を固めたって事で見に来たら、随分と綺麗な子をお嫁さんを貰ったんだねえ。聞くにあの春日家の子だというじゃあないか」
「はい…そうですね。私の妻は春日家の末裔となります」

……!?
悟が僕でも、たまーに余裕がなかったり我儘モードとかで出してくる俺じゃなくて……"私"って言ってる!?
ぎょっとして隣を見上げると、腰をぱすっ、と軽く叩かれはっと現実に戻った。
ちら、と悟を見ると唇に軽く弧を描き、ふんわりと笑う。

「ほら、ハルカ。私が良くお世話になってる方なんだ、挨拶をして?」

まあ、形だけなんだろうな…とは思う。部屋では上層部みーんなクソだ!みんな死んじまえ!だとか部屋で手足をばたつかせ、抱きついて駄々をこねる姿を見ているから。
じゃあこの場で私もそれっぽくしないといけない。頭を軽く下げてから笑った。

『……はじめまして、さと…っ、主人がいつもお世話になっております』
「ン゙ッ」

……肘で軽くどついとこ。何含み笑いしてんだ、と目の前のにこやかな人から悟を見ると片手で口元を押さえて居た。隠しきれていない頬や耳はほんのりと赤く色づいていて……。
照れたいのはこっちの方だよ!妻、とか言うし!珍しく私って言ってるし!文句を言いたいのを堪え、ははは…、と悟を何度が肘で小突きながら愛想笑いを浮かべた。
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