第19章 アフター・ダンスパーティー
あっ悟のマンモーニの発作が始まってしまった。
明らかに引いてる歌姫と、京都の西宮。完全なる発作が進行するとコアラモード、背後からのパイルダーオンされてしまったらひとたまりもない(恥ずかしさで)
ここはバイオレンスでもない、お土産で釣る選択をしとこ。
『お土産買ってくるから!あまいやつ!』
「えっやだ。何でもかんでも甘いもので僕が許すわけないじゃん」
多分真顔で言われた。そういえばたまに飴でも釣れない時がある。甘党だからといって全て糖が解決するわけじゃないってか…。
この正論には私も拳を作るしか無い。
『クッ…!カブトムシばりに甘いの好きな悟に言われてしまった…!』
「どういう認識??」
視線を反らした所で、悟が続きを、と絶賛ドン引き中の歌姫に迫る。
「てなワケでさーお爺ちゃんに断っといてよ歌姫。僕的にハルカと離れるとかリームー、むしろ断れないなら僕も着いてくわ!」
『「着いてくんな!」』
硝子がはっはっは!と可笑しそうに笑ってる。
この場ではこの話はここまでとして、そのうち正式に高専経由でお知らせが来る、という事で話が終わり、ややスネ気味の悟に腕を引っ張られ皆から離れた壁際にまで連れてこられてしまった。
椅子はちょっと離れた所にあるけれど、ここにはテーブルだけ。軽い軽食と飾りの花が置いてある。
さっきまで居た場所には、夜蛾学長と一緒に傑が合流して楽しそうにしてるんですけれど。むすー、としつつ少し楽しげな悟を見上げ、近くに置いてあった、うっすらとした水色の液体の入ったグラスを私は傾けた。
椅子にでも座って落ち着きたいけれど悟の様子を見るにこれ以上移動する気は無いらしく、持ってきたケーキを楽しんでる。
まあ……椅子はヒールを履いてる女性陣や、老いた術師が座ってて埋まってるんだけれど。