第19章 アフター・ダンスパーティー
サムズアップを飛ばしとく。すると虎杖が両手で親指をビシッ!と立てていた。先生よりも私に味方してくれるというんだな、Thank you!このまま余裕のある悟を崩してけ!
そこへ軽く手を上げた伏黒。
「ハルカに正面から振られた後に医務室に来て無言でぐるぐる回っていたのはノーカンですか?」
「ぶっ!?恵ィ?それは言っちゃ駄目でしょ?ノーカンに決まってるやつだよ?なんでそれ知ってんのかなー!?」
それは初めて聞いたな……。ちょっと引くな。
『便意を催した犬かよ……』
「伏黒、あんた直に見たんだっけ?はあー…医務室で回んなよ……」
悟の口元が苦笑いになってる。教卓についていた手をしゅば、と胸の前で腕を組み一呼吸ついた後に片手で人差し指を出した。
「……話が逸れちゃったねー!ハルカ以外の3人共、各自今日言ったものを用意しておくこと!ホームルーム終わり!以上!また後で!」
あんなにもみなぎるほどの元気と余裕がみるみる無くなって、悟は重要事項を伝えた後に素早い動きで教室を去ってしまった。
色々とこういう行動早いんだよな、悟。そのクセ遅刻グセがあるんだけど。
悟が去ってからはもう教室はフリーダムって事で。野薔薇と私は目が合った。
「ねえ、ハルカ。あんたはパーティードレス持ってんの?ハルカ以外って言ってたけど」
さっきの連絡事項の件を野薔薇が聞いてきた。それに頬杖をつき、フフッ、と笑っておく。
『非術師社会で通用するのは実家にあるけどさー。呪術師界隈でのベースが黒のは無いんだよね。後ほど悟に店に連れてかれて採寸されるみたいです』
「はーん、流石五条家、オーダーメイドかよ、良いなー。ああいうのって色々とサイズあるもんでしょー?なかなか巡り合う機会ないのよねー……。
あ、今日予定ないなら下見に付き合いなさいよ!運転もあんた出来るしっ!」
にっ!と笑う野薔薇に、今日予定は特に無かったよな…?と悟との会話を思い出し、フリーであると確信したので頷く。