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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第16章 覚醒のトリガー


まーね!と短く笑った悟も立ち止まったままに。ここに来るまでに悟が言ってた状況を実際の目で見てちょっと考える。
タンクの側でぺたりと座り込む祖母、腹部の赤い染み、斜め後ろのマリア。逆流を防ぐための装置にワイヤーを繋いで祖母から吸い取っているんだと思うけれども祖母はかなりぐったりとしていた。
その近くにはリベルタのボスが刀を握りしめて居る。戦況を見ながらこちらをちらちら見てる。とっくに私がここに居るってバレてる。
マリアの側にはあの顎に無精ヒゲの男。それらを守るように10人近くのスーツの人間達と。統制の取れた動きをする呪霊達。

『……?』

牙で噛み合い、爪で引き裂き合ってる?
……見た感じ、呪霊と呪霊が戦ってる様にも見えるんだけれど。
その呪霊が近くに居る中で夏油が私達の方を見て驚いたように大きく口を開けた。

「悟、なんでハルカも連れてきてるんだい!?」
「一緒に来るって利かなかったの!っていうかオマエ、雑魚に遅れを取ってんじゃねえよ」

悟が夏油の側の呪霊を祓ったり、注意をしてない。動きを見る限り夏油が呪霊をコントロールしてる…のかな?もしかして。
夏油を良く知るであろう、隣の人物を見上げる。

『夏油さんって呪霊を使役?出来んの?』

話しかければ悟は、周囲を見ながらに私の方を見る。アイマスク下の口元がにこっ!としてこのカオスな空間を目の当たりにしても楽しそうだ。

「うん、そうだよ!初めて見た?アイツはねー…呪霊を取り込んでいてね、あいつは取り込んだ呪霊を使役出来んのよ。リベルタにも傑のようになんぼか呪霊を使役出来るのが居るって聞いたけれどさー…実際は大した事ないんだけど。あそこでやられちゃちょっと厄介かな」

なんでだ?と敵ばかりでなかなか前へと進めない龍太郎と視線を一度合わせ、私の直ぐ側の悟を見上げる。
悟はこっちを見ずに夏油や、タンクの側のボスや人質達に目配せしてる。

「いくら傑の使役してる呪霊が強くたってあっちには更に強く出来る、ハルカから奪い続けた呪力がある。どれだけ弱い呪霊でもね、車にガソリンでも入れるみたいにたっぷり注いでやりゃあ特級にすら出来るのよ。
今傑が相手してんの、結構強化されてんねー。しかもタンクや小型の呪力装置を破壊なんてしたら無差別にここに居る呪霊を強化するし最悪な事になっちゃうわ」
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