第15章 縛りの為の呪物
拒否権なんてない。もう上空に来ているからシートベルトもとっくに外してて少し広めな座席、私に少し覆いかぶさる様に体を寄せる悟。
唇を食むようにキスをして、離れた口元は意地悪な笑みを。濃いサングラスをずらして見える瞳は少年の様に無邪気で。
「空にもオマエの視線はあげない。これで僕だけのモンだよね?」
『また、そういう事言って……』
クスッと笑って悟側へと抱き寄せられる。しっかりとした悟の腕がとても安心させてくれる。
耳元でねっとりと悟は私に囁いた。それはぞくぞくとして背筋から粟立つような感覚はまるで情事の時に近くて。
「ごめんね。今晩も明日の夜もいっぱいハルカを抱きたいから、睡眠不足は覚悟しておいて」
まるでその最中の顔をしてるって私自身で自覚してたから私は悟に必死にしがみつくように、顔が見られないように抱きついていた。