第9章 五条求婚する
「……ねぇ」
『眠いからおかわりはだーめ、明日は学校でしょ……寝なさいね?』
間違った事は言ってない、悟は1年の担任だ。
やんちゃ過ぎる悟故に私の発言は担任ではなく生徒側に捉えがちだけれど。身体をぐるんと悟から背を向けてまどろみの中。
悟側に向こうが背中を見せようが抱き枕が確定している。
「──… 」
眠りに落ちる中で何かを聞いたはずだけれどその誘惑に勝つことは出来ずに、私は熟睡してしまった。
────
──
アラームに起こされてしょぼしょぼとした目で片手をその方向へと伸ばす。
伸ばした手は後少しで届かない。隣で爆睡してる悟を起こさないように抜け出して止めた。
『…うっ、』
股関節が逝かれている。ひたすらに受け身の状態でベッドでしたとはいえ、両足を大きく開き押さえつけられてのストローク。人間は常日頃からそう股を開く為の作りをしていないんだから……。
ベッドにゆっくり腰掛けてそっと自身を治療した。
流石に治療に慣れてきたし、キスマークとかも治せていたのだから二日酔いくらいは治せる範囲な気がしてきた。贅沢な使い方だけれどそれがあるとないでは飲み会の楽しみが変わる。ただその場合、楽しく飲んだとしても胃が限界になって終わる結末が見えている。
座っていたベッドから腰を上げ、私が起きた事で捲れていた掛け布団を悟に掛け直し私はシャワーを浴びに向かった。
汗や自身から溢れる精液などをシャワーで流して。
上はインナー、下は制服のスカートとストッキングという状態で保湿をしてるとキッチンの方で良い匂いがする。悟が起きたらしい。
トットット、とキッチンに向かうと下はいつもの黒い服を、上はぶかぶかのトレーナーで首にタオルを掛けている。自室の方でシャワーを浴びてきたらしい。
悟は調理の邪魔にならないように腕は捲くっていた。
『おはよ』
声を掛けると振り返り朝からとても元気な様子で満面の笑みを浮かべていた。
「グッモーニンッ!オムレツ作ってるよー、お弁当用に卵焼き作っとく?」
『サンキュー!あると助かりますー』
るんるんと気分がとても良さそうな悟は丸皿に丁度焼け終わったばかりのオムレツを載せてる。
チーズの匂いがする。中にチーズ入れたのか、とすんすん鼻を鳴らして冷蔵庫から卵を取り出していると悟は手を出してきたのでその手の平に渡した。