第8章 スキルアップ
「うっ、ハルカっ……!」
昂ぶる衝動に、加速のままに。
ごめんね、ハルカ。痛いのだと知っているけれど、もしもの可能性を賭けてぐりぐりと押し付けたキミの最奥で僕は…キミの中でのたったひとつの出会いを求める僕の遺伝子をキミの中にたくさん放ったから全部貰ってよ。
4年先だなんていってもさ。僕としてはいつだってキミと家庭を築きたいからいつでも産んで良いからさ…。
ドク、ドクン…と最後まで奥で出しながら、ハルカの蕩けるような表情を見て僕は満足した。
「──休憩、終わった?ハルカ…」
『…ん、もうちょっと』
体重を掛けないように覆いかぶさる僕に甘えるようにしがみつく彼女。
えっちな時にしかこうも大胆になれないハルカの甘える姿が愛おしくて甘やかしたくもなる。本当に僕の余裕を無くさせる唯一の子。
ふぅ、と息を吐いてハルカの頭を優しく撫でた。そして髪を指で梳いて春日の天与呪縛の具合を見る。
そこそこ白い髪。
白くなればなる程に高まる呪力。けれどもきっと春日の一族は生前に100%を誰もが出すことが出来なかったはず。
100%の呪力。全てを白に染めたその時に戦うのは高リスク過ぎてたった一撃でも死亡する。だからこそ救済措置として領域展開で全てを0に変える、そして死後の一族一人一人が100%の力を持ち、あの空間で肉体を保たず、概念として侵入者を攻撃する。
相性もあるだろうけれど……。あの空間に恵や真希も真衣も居たら本気でヤバイ場所だ。禪院を殺す為に特化した特設ステージだから。この子にはちゃんと強くなって貰って仲間を傷付けないように成長して欲しい。
ああ、白いな…。
何度も髪を梳いて地毛の明るい茶色に混ざり込むハルカの運命を憂う。僕はこの全てを白に変えたりはしたくない、キミを若いままに死なせたくはない。
天命のままに、あの婆さんよりも老いるまで。100歳まで生きて欲しいなぁ……。
「……ふふっ、」
『な、なに?』
「いや……ちょっとね!」
……って僕はそこまでハルカを好きになっていたみたいで。
笑って彼女の腕を掴んで起こした。ちょっとしょぼしょぼとした瞳は眠そうだけれど、もっと付き合ってくれるよね?