第8章 スキルアップ
跨る…?私が?ソレって私が悟を攻め立てる体位って事?
普段は悟から一方的に攻め立てるようなセックスだったからその提案は意外だった。
私に向かって手を伸ばした悟は、頭をわしゃ、と数度撫でて笑ってる。
「イイと思うんだよね、その方がさー。どこがイイ所とかここは痛いとか僕だって分かるだろ?ハルカが気持ち良い所自分で見つけて気持ち良いのはここだよって教えてよ」
下着の件といい、この件といい今日は墓穴ばっか掘ってる。
私の背を片手で引き寄せた悟は胸元に軽くキスをして私を見上げた。提案を私がどうするかを伺ってる。
少しだけ間を開けて、たまには受け身ではない事をしてみたい気持ちだったから、黙ってひとつ頷いた。
そんな私を見て悟はクックック、と意地悪そうに笑ってからはしゃぎだしてる。
「よーし!明日はいっぱいできるの楽しみにしてるよ!やったね!ハルカちゃん!セックスが出来るよ!」
『おいやめろ』
今日は回数を分けてしたけれど、明日もだなんて。
悟の味を占めてしまった私は嬉しい反面不安でもあった。しかも部屋だけじゃない、外でもだなんて。先にデートコースを知ってしまうのも困ったもの、後半が近付くにつれてそわそわしてしまいそうで。
『良かねぇよ…?100歩譲って観光やスイーツを許してもラブホなんて、』
「あ、夜の話のつもりだったけれどラブホも結局オッケーなの?いいね、やったね嬉しいね~!明日は超ハルカを抱き潰せるねっ!鮮度の良い精子いっぱい出せるぞー!」
『こいつ裏をかいて来やがった!』
冗談だったなんて思えないのに、それを確定にしてきた。
いつも冗談言うけどまさかプランに冗談をひねり込むなんて誰が思うかっ!
「ねぇ、明日は生でも良いでしょ?」
『……良いわけあるか!』
ああ、本当に私は悟に弱いみたいだ。
ぐりぐりとすり寄って甘える悟の頭を抱えて髪を撫で、ため息をついた。