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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第8章 スキルアップ


「昨日は相当疲れただろ?その感じだと非術者の治療人数も覚えちゃいないか…」

『そんな多かったです?途中から数えるのが馬鹿らしくなってて……50人くらい?ですかね』
「73人」
『ファッ……』

ベッド脇に立っていた家入は腕を組んで、ベッドから上体を起こして見上げてる私を見ていた。

「報告も聞いてる。一度にふたり治療が出来るようになったのと、スピードも上がったって事。お前が倒れた後に現場に待機させた者が連行してきた被害者を私も治療したが疲労も相当な訳だ。任務のおかげで良い経験が積めてる。
目も覚めたようだし、体調に変化も無ければ今日は午後から学校に行け」

つまりは呪術のスキルアップという事。
よし!とガッツポーズをして、家入の最後の言葉にハッとした。

『あっ…それでも学校行くんですね…』
「サボるなサボるな」

ベッドから足を出し足元の自分のブーツに足を入れる。
全身制服だからそのまま教室に行っても良いけれど、私は勉強ロボというわけじゃない。一度部屋に戻りたかった。
そのまま立ち上がり、数歩だけ歩くも特に痛みがあるわけでも疲労が残ってるわけでもなく。ひとつ…いや、複数点言わせて貰えればトイレ行きたいのとご飯食べたいというくらい。
家入は私の顔を覗き込んでいる。

「で、今の所具合はどうなんだ?」
『特に疲れとかそういうのは残っちゃ居ないです、怪我を負ったわけでも無いですし…、』
「そいつは良かった。じゃあ、寮に戻って午後に備えてもう少し休めよ。
……ああ、そうだ」

ベッドサイドに置かれていた鞄などの荷物を持ち、2、3歩む所で私は振り向いた。
彼女は腕を組んだままに口元が笑っている。そして指を私の顔というか頭上に向けていた。

「五条が相当心配していてな。ここに足を何度も運んでいたぞ。
まあ…心配というか…その、頭とかここを出る前になんとかしとけ」

何がなんだか、と自身の頭に手を伸ばせば寝ているからって遊ばれたんだろう、触っただけでも分かる女児向けのヘアゴムであちこち結われている頭髪。

『あの野郎、』
「右、右側も残ってる」

全部で5箇所、バランスなど考えずに遊んでいったみたいだ。
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