第8章 スキルアップ
私は指先で悟の部屋を指した。
『自分の部屋のシャワー使って下さいねー、こっちは私。悟はあっち』
「洗いっこしよ?」
洗うだけでは済まないし、そんな事態になれば遅刻も確定するわ。
はぁー…、とため息をつきながら悟を追い払おうとする。
『昨日したでしょ!悟の部屋はあっち、自室のシャワーを使えってんの。しっしっ!』
けれども後ろからがばっ!と抱きつかれ、肩に顔を埋めてる悟。腕も体も一括に両腕で抱きつく悟の手は下着越しの胸元に伸びてきたのでその手を掴んだ。されるがままに進められたらシャワーも弁当も何もかもが進まない。
脱衣所まで来て足を止めた。この先無視して服を脱いだらやられる未来が待ってる。まだステイだな。
悟は下着が付いていようがお構いなしにまた手を伸ばしてでふにふに揉んでる。下着のおかげか、全体を揉んでるので急所は狙われてない。
揉みながら悟は私に疑問をぶつけてきた。
「なんで寝る前しかイチャイチャ出来ないワケ?物足りないんだけれど」
『教師と学生だからじゃないの?ましてや呪術高専だし、"帳"なくとも夜に任務行ったりするからじゃない?』
脱げない状況、シャワーの準備としてタオルまでは用意したけれど悟が居るから脱げねえ。
ふーん、とアルパカの鳴き声の様な返事をして首筋に顔を埋める。頬や首に髪が当たってくすぐったい、と思えばまたチクリと。
十分1年なり2年なり関係バレてると思うんだけれどなー…と、悟の頭をぽんぽんと軽く撫でて"ほどほどに"と伝えた。
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一般教養の科目を終え、午後になる。
課外授業……いや、任務の時間だ。かつて医務室で治療をしたことのある、伊地知が運転手を勤め助手席に私、後部座席に虎杖、伏黒、釘崎が座っている。
悟は午前中から任務だそうで出掛けている。2限目の最中に急にやってきて"絶対に無理をしないこと、分かった?"と確認されて、あまりの勢いに頷く事しか出来ない私に満足し、悟は任務に行ってしまった。
こちらも任務という事で通知音を消しているけれど、メリーさんばりに通知が入っていたので(開かずとも通知で"無視?本当は見てるんでしょ?"等もあった)任務が終わったら確認する事にしよう。