第7章 このリセットは強くある為に
「ハルカはさ。五条の一族に入ってくる事に嫌悪感とか無い?」
埋められた頭。表情は見えないけれど声色が少しばかり不安そうで。一度撫でる手を止めて考えた私が導いた答え。
『別に。そもそも禪院を呪って繁栄した春日の私を選ぶ悟はどうなのって話。
もしも悟の一族に後ろ指さされたりしてもこっちは逆に中指おっ立ててやるわ』
肩を震わせ、あっはっは、と楽しそうな悟の呼吸が胸元に掛かる。
『それから。もしも悟が…私は昔の悟がどの程度女の子と遊んでたか知らないけれど、私以降他の子に浮気とかしたらもれなく五条を恨みますんでお覚悟を。領域内で一族を呪う方法聞き出して私の世代から呪い続けるからね?』
その点については鎹に聞けば一発だろうな、と確信してるけれど。
悟は胸元に擦り寄りながら私を見上げた。その顔はとても楽しそうで。
「おーこわ!気をつけよ!僕の一族にイジメられることは無さそうだねぇ……ハルカらしいや!」
さり、さり、と撫でる髪の音。
沈黙の中で小さく"おやすみ、悟"と言えば"おやスイミーハルカ"とぶれない言葉が返って来て小さく笑った。