第5章 "好き"が止まらない!
『別に良いけれど……言うまでもなく、恋人っていっても普段通りな気がする……』
「そっか!じゃあこれからは朝も昼も夜もずっとキミと一緒だ!
ところで僕の料理が美味しいからって食べてくれるのは嬉しいんだけれど、そんなにバクバク食べたら太るよ」
『……ムカつく。悟、一回死んどいて。そして生まれ変わって性格直してこい』
悟はロールケーキを食べ終えたので袋から次に食べるプリンを取り出した。クリームの乗ったプリンだ。
人に言って自分は食うんかい、パート2だ。
私を見てにこにこしていた悟は真顔になり、プリンの蓋をビッ、と開けた後ノールックで付属のスプーンを袋から取り出した。
「えっやだ、面倒くさい。それに最強の僕が性格まで綺麗になったら完全無欠の五条悟という美の神になっちゃうし?」
『アーハイハイ、スゴイスゴーイ』
飲み干した缶を反転術式で式髪を巻きつけてベコ、と締め付けて潰し解除をした。アルミだけれどきっとスチールであってもこうなるのが見えている。ただの髪を召喚してる訳じゃないから…。
その潰し終えた缶を見て悟に疑問をぶつける。気になって仕方なかった事だ。
『私の反転術式の怒髪天、呼び出した先祖達の式髪って非術者にも見えるもの?私も呪いが見えるようになってから"そういうモノ"がどっちなのか分からなくって……ほら、先生。質問ですよ?』
缶から悟に視線を送る。
悟ははっとした表情で私の潰した缶を手に取った。口元には笑みを浮かべて。
「そうね…、ぶっちゃけ見えない、かな。キミの頭髪は見えても、召喚した髪は遺髪にキミの呪力を乗せてるからさ。僕が斬った時消えただろ?
非術者に見えるとしたら、武器かなー…巻きつけて呪具にしてる時、その武器は一般人にも見えるから注意ね?銃刀法だって捕まるから」
『なるほど……さんきゅ、先生』
「ふふふ…お役に立てて何よりです」
銃刀法違反として通報されないように気を付けるべき、という事ね。頷いて私は皿を持って立ち上がる。
ジャーマンポテト、明日食べよう。このまま置いとけば有限とはいえ食べてしまう。お弁当に詰め込むのも良いかもしれないなぁ、一品楽になれる。悟が持ってきた皿よりも二周り程小さめの器に入れて私は冷蔵庫に入れた。
洗い物もしておこう、とキッチンに一度皿とフォークを置いて潰した缶と、ビニール袋に入ったチューハイとビールを胸に抱える。