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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第36章 私達だけの世界


356.

今は懐かしき、バーのカウンター……ではなく、今回はボックス席にて。
窓際の席に座る私の前の席には硝子が。その硝子の隣には七海。私の隣には傑が座り、六人程座れる席に四人が集まっている。
あれ?誰かが足りない?鼓膜に刺激も足りないと…?そうそう、下戸の人はまだここに来ていない、というか辿り着いていない。
悟は普段の行いの良さか、残業中なう…でその仕事が終わり次第こっちに来るという連絡を聞いている。つまりは残業による、飲み会への遅刻ってワケ。
珍しくきちんとした、納得して頷ける遅刻の理由だ……!

各々がメニューを見て決めていく。私も傑からメニューが回ってきてそれをじっと見た。

いつもだったらこのバーに来たらどのカクテルにしようか、なんて迷っていただろうに。紙面を怪しみながら覗くプーさんのようにノンアルメニューをじっと見て、やってきたスタッフにメニューを指差し『これを』と注文をした。

この場に居る私含む四人の大人達。傑も私と同じくノンアルというよりソフトドリンクを頼んでいて、彼は帰りの運転をしてくれる……というか、帰ってからの仕事があるかららしいけど。
高専に帰って、じゃなくて美々子と菜々子と住む場所での普段やっている仕事の方。いつも忙しそうなのはそっちと高専の任務を共に進めているから。
……もっとも、傑は任務の内容次第で却下するものもある、らしいんだけど。

氷の入ったグラスを持ち、唇に着けて傾け、ゆっくりと水を飲んでいると、隣から左右に動く黒き前髪メトロノーム。
なにをうさうさしてんだろ、とグラスを置き傑を向いた。言葉に出さないから悟と同じく不審者に見えるんですが??

『どうされました?不審者さん』
「辛辣だねえ……、いや…さ?ハルカ、横から見るとお腹…かなり大きくなったねー、」

苦笑いした彼はじっと私のお腹を見て興味津々そう。その反応は悟にほんっと良く似ていた。ズッ友は最強な所とクズ面だけじゃなく、そういう反応も似るんだ……。
急に腹部から視線を上げ、私の瞳を捕らえる細い瞳。

「今、失礼な事考えなかった?」
『イエ、ソンナコト、ア~リマセンヨ…??』
「本当かなあ~?ねえ、どう思う、七海。明らかにハルカ、失礼な事を考えていただろ?」
「止めて下さい。こちらにトラブル話を振らないで頂きたい」
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