第5章 "好き"が止まらない!
「あっさりと食べたけれどなーんかちょっと食べたいって時あるじゃない?それなんだよねー」
『わかる、かも…』
深夜のカップ焼きそばとか。背徳感とあのインスタント独特の味とカロリー。お湯を捨てる時のベコン!と鳴るシンクの音を家族に知られないかハラハラしたっけ。
そしてその罪は後ほど体重計の数値に存在感をもって表すのだけれど。
共感をもって返事した私に悟はちょっと悪戯っぽく無邪気に笑った。
「僕がさあー…ハルカが食べたいって言ったらどうする?」
少しの沈黙。
食べたい、というのは物理的な……カニバリズムでは無いのは確か。となると、言っている意味とは。
つまりはその、身体を…性的に求めているって事。じわじわと頬が熱で染まってくのが自身でも分かる。
『……やだ』
見上げた顔から私は顔を反らし再び真横の風景を見る。夜の公園は人が居なくて、時々呪いがどこかから寄ってくる景色。現在はさっき悟が祓ったから視界には居ないけれど。
片耳からクス、と悟が笑った声を至近距離で聞いた。耳元でわざとやってる。
思わずぶるりと体を震わせた。
「どうして?肌を晒すのが恥ずかしいのなら僕、キミん家で見たけれど?」
『そういうんじゃない!』
そう簡単にほいほい肌を晒したくはない。恥ずかしいというのもあるけれど軽い女って思われないかって思ってしまって。
それに龍太郎の未遂だったとはいえ、あの件がある。今は少しだけ…怖い。
悟の事は好きだけれど今は肉体関係とかそこまでは私は求めて居なかった。矛盾してると思う、男と女そのほとんどが最終的に肉体関係を結ぶものであると知っていても。相手の希望に応えられないなんてわがままだ。
ただ私には心の準備という時間が欲しかった。
『……早すぎるもん…、悟を良く知らないままに悟を受け入れるなんて…それは情報量多すぎるっていうか…、』
私がそう真剣に言ってるのに悟はいつもの悟口調になってきた。
「かーっ!キミ、意外とピュアだねぇ~!今どきのラバーズは割と経験が早いのにぃ~?付き合って当日とかザラよ?ザラ。出会って速攻ホテルにGO!とかねー…キミィ、ヤンキーっぽいのにプリティーでぴゅっわぴゅわか~?」
『プリキュアって言うんだからそこはきゅあきゅっあ、だろ!このっ…はー、ツッコミどころ多くて腹立つわァ~…』