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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第36章 私達だけの世界


352.

静かな中で時折衣擦れの音が聴こえる。目を閉じたままゆっくりと意識を覚醒していく中、目の前で定期的な呼吸音を聴いて朝から側に居られる幸せを今日も感じて……。

もっと眠っていたいけれど今はどんな光景になってるのかな?とそっと目を開ければ、目の前にはふわふわの白髪、障子からの陽の光にキラキラしててまさに白銀の毛並み。
起きてないよね。起きてたらいつだって騒がしいんだもん、まるで呼吸するように騒ぐ声を耳にしていない。鎖骨辺りに悟の呼吸を感じて今日は悟に勝った、と布団の中で小さくガッツポーズをしちゃったり。

彼を起こさないように気を付けて布団の中から手を布団の外へと出して、目の前の髪を撫でる。柔らかくてサラふわ……そして、後頭部の魅惑のジョリジョリ!
ひとりで二種類の髪の感触を楽しめるのはお得では?と白いポメラニアンと刈り上げられた野球男子の被ったスイミングキャップの砂鉄みたいな、短髪部分を交互に触れて楽しんでいると小さく呻く声を胸元で聞いた。

「ん、うーん……?」
『おっ、二番目に起きた人だー』

「ふあっ…ぁ…、朝っぱらから情熱的なアピールだねえ。キミが僕よりも先に起きたらおちおち寝ていられないよ……」

あくびをして文句を垂れた後もぞ、と顔を上げた悟。渋そうな瞼を擦り、少し眠そうな瞳を細めて、「おはよ」と布団の中で私の体をぎゅっと抱きしめられて。そんな悟に私はおはよーって抱きしめ返した。
ぎゅっと抱きしめあった中で私の首筋にちゅっ、と痕の残らないだろうキスをする悟の背を優しく撫でる。そんなハネムーン、五連休の三日目となる朝。

『障子から差し込む明かりからして外は晴れだね』

あったかくて落ち着いて、このままだったら布団の中というデバフを受けて眠ってしまいそう。とにかく、こんな明るさなんだ、きっと今日は昨日よりも天気が良いのは確実。
悟の背を撫でる手でとんとん、と指先で叩くと起きたばかりなのにお互いの体温の共有と布団の中で既に眠そうな「んー……」という呻き声。

「……いい天気だろうね。でも僕はこのままお部屋でずっとイチャイチャしてた~い…」
『晴れの時こそ外出じゃん、外行こうよー…眠いのは分かるけどさあ……』
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