第5章 "好き"が止まらない!
目の前の男は口を尖らせてスネていた。虎杖の椅子の上、三角座りでスネ夫というかのび太にも見えるマジック。サングラス掛けてるから?のび太は普通のメガネだったからのび太に失礼かぁ。
『家入さんとのやり取り終わったんで、スネ夫みたな口してないで補習の続きしません?先生』
「スネ夫じゃなくてもスネるわ、ンなもん。ちぇー、切り上げるからじゃあこの部分はずぇーったいに家で3回は読んどけよ、声を出して。音読ね!
僕、壁にグラス付けて耳押し付けて聞くからな?分かった?」
『うわ、盗聴だ!部屋変えて欲しー、もしくは隣人変えて欲しー』
「嫌です」
『きーっ!』
コンコン、と教科書とノートを揃えて私はバッグに詰め込む。
ペンと消しゴムもペンケースに入れてペンケースをバッグに詰め込みながら、私は椅子から立ち上がった。
『それじゃあ、お疲れ様~』
「おつカレーライス!お友達の所、僕も着いてく?今なら悟クンがおまけで着いてくるよ?」
『来なくて良いですー、たまにはお家で自分時間過ごせば良いんじゃないのー?』
バッグを持ち、はしゃぐ悟から目を反らすように私は寮へと駆けていった。