第5章 "好き"が止まらない!
33.
バッグに教科書を詰め込んでお弁当を入れて……腰回りに、ウエストポーチを着けて。家入のアドバイスを聞いてとりあえず衣服などが切れるハサミを入れた。また呼びかけがあった時にでも持ち歩くものを聞いたほうが良い気がする。まだポーチの容量はスカスカだ。
まあこれで良いか!と成人しても制服を来てしまった自分にちょっと恥ずかしさを覚えながら寮を出て鍵を締めた。
年下のクラスメイトや先輩が居ても違和感は無い。社会に出たら自分よりも年下の子が上司だってある事だった。特に体調を崩しアルバイトをし始めた時は下の子が正社員だった。変なプライドというか、年齢は私は気にしちゃいない。
制服についた塵を払って校舎へと向かう。
居候時に結構手続きとかしていたけれど、学生になる事でまた契約などの書類を書いて昨日提出してるしな…。
トコトコと進んで行くと昨日案内された教室だ。ドアは全開になっている。ちょっぴり緊張してきた。
『おはようございまーす…』
「おはよーっす」
「「おはようございます」」
その朝からの元気が眩しいわ、と釘崎の指す席に私は荷物を置いた。
『その…、歳が上だからって別に敬語とか、要らないので…うん、普通の対応で良いからね?みたらいでもハルカでも呼び方は自由で。実際は皆の方が呪術の先輩だし』
「いや流石に呼び捨てはしないって、みたらい」
「既に言ってるだろ虎杖」
「みたらいさんの制服めちゃくちゃカスタマイズしてる!私もカスタマイズすれば良かったァァー!」
釘崎は私の制服をつまみ前後を見るためかぐるりと一周して頭を抱えている。私的にはそちらのシンプルな方がまだ良かったと思うのだけれど。
『ちなみに釘崎さん、これは私の希望は何一つ入っていない、バカ…じゃなかった、担任の趣味が詰め込まれた集大成でございます。あーあ、落ち着いたのが良かったよー、後でちょっと一時制服をトレードしてみる?』
「マジっすか!じゃ、後で着てみたーい!」
なんか高校生活を思い出すな~…と少ないクラスメイトと交流していると、ニヤニヤした悠仁…ううん、揃えて言うなら虎杖が私を指差した。
「呼び方自由ならさ…じゃあ姉御で」