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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第32章 御三家


腕組みを解き、握りしめた私の拳を見て、首を横に振って両手のひらをこちらに見せ降参を表す悟。
チャイムも鳴り終わったし解散という所で「ねえ」と野薔薇が声を上げた。私と悟は野薔薇の方を振り返る。荷物を方肩に掛けた彼女はにやりと笑ってた。

「このままご飯食べに行きましょうよ、ハルカ。いつでも会えるって言ってもあんたは今日で学生、最後でしょ?」

その後ろの伏黒も自身の机の上の荷物を持ち上げて、釘崎に続いた。

「……釘崎、朝言ってた店の予約は取れたぞ」
「伏黒恵一等兵よ、よくやった、褒めて使わす」

キリッ、とした視線を伏黒に送った野薔薇。にっ!と彼女と虎杖は同じタイミングで笑う。

「つーことで行こうぜ!」
「拒否権なんか無いんだからねっ!絶対に来なさいよ!?」

そんなの拒否する理由なんてある?
その笑みににっ!と笑ってサムズアップをした。そんなの行くに決まってるじゃん!

『オフコース、行く行くーっ!
というワケで悟、私はディナーを楽しんで来ますんで留守番よろー』
「おーっし!じゃあ皆一旦寮に荷物置いたら揃って行こうぜ!……先生は留守番ね?ハルカ借りてくから、じゃあね!」

虎杖の無邪気な笑顔を見た瞬間に膝から崩れて袖をアイマスクに当てる悟。はい、演技入りましたー!

「うっうっうっ……可愛い生徒たちが僕をハブにするぅ!」
『あっ、面倒くさいスイッチ入ったぞコレ』
「奥さんもそれにノッて僕をひとりぼっちにするんだい!ひとりぼっちはさみしいもんなー…サヤカチャンッ!」
『なにこの人、ソウルジェム曇ってんの??』

荷物を持って今日で最後となる椅子を、そっと机へと押す私を見上げた膝を着いたままのアイマスクの悟。もちろん布下が泣いてるかなんて分からない。
への字口は下唇を突き出して、顎にめっちゃ細かいシワを寄せてる。

「先生も行きたいなー!」

しん、とした沈黙の後に悟が凄い勢いで伏黒を見ると、伏黒は悟を見ず虎杖を向く。明らかなる無視。この場に五条悟という男は居ない、としてる。

「……じゃあ荷物を置いたら私服に着替えて寮出入り口に集合、で良いか?」
「めーぐーみぃぃ!」

この一年を共に過ごした教室は四月からは後輩達が過ごす空間となる。この教室に戻ることの無いように各自荷物を抱えてる中、俊敏な動きで伏黒に駆け寄り抱きつき、すりすりと頬ずりをする教師。
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