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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶


210.

日曜日の夕方に余裕をもって帰れば良かったものを、悟は「なるべく長く一緒に居たいからギリギリまで居たいんだよね」という理由で月曜日の早朝に東京へと帰る事となった。
5時頃の目覚め。早すぎるしちょっと大変だし、ご飯はその辺で食べて、と言ってある。
私自身は通常の時間に起きても良かったんだけど、一応さ籍入れてる夫婦って関係だしせめて出勤くらいは送り届けたい。だから目が渋いなかで向こうに帰りたくなくてぶすくれてる悟を玄関で見送るつもり……だったんだけれどね?

毎度変わらずコアラの様に私にしがみつく人。
膝をつき、離れないようにと両腕を私の背にがっしりと回してる。腹部に顔を埋め、首を左右にぐりぐり擦り付けているアイマスクの男。この人、これでも二ヶ月以内に29歳になる人です。

「やだぁ!帰りたくないぃぃ~~っ!」
『……幼稚園児の送迎バスでよく見る光景じゃーん…』

回収しにきた送迎バスから親との別れを惜しむ子供みたいな。
それがまあ、2メートル近くもある大人がやっちゃってくれてるんですけど。それこそ初回くらいは離れたくないなんて、と私も照れたり、そんな彼が可愛いかもなんて思ってたけどこうも回数が多いと表情が死んでスペースキャットにもなるわ。
悟はしがみつきながら、寮の部屋で叫ぶ。

「園児じゃない!ちんこ周辺に毛が生えてるし!大人だし!」
『そういう事言わないのが真の大人だと思うよ?もうちょっと大人になろうか、悟君』

……いつもの光景、でっかい子供モードの五条悟君。
引き剥がそうとするとより締め付けが強くなるから、押して駄目なら引いてみろ、丁度良い位置の腹部ほどの位置にある頭をポフポフと撫でた。ああ、もう。ここは鞭ではなく飴モードで対応すべきかな。はあ、とため息を吐いて寝癖がなかなかつかない髪を撫でる。

『どーせすぐにこっちに来るんだから。今日は悟が東京に帰る日でしょー?一年の皆が悟に会いたがってるよ(多分)』
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