第21章 僕の初恋をキミに教えてあげる
「……なんだよ、俺の事ジロジロ見て」
身長羨ましいなんて言えばチビって言われるのが目に見えてる。
どうせサボってんだから任務に手伝わせよう。というか彼が協力者なのだからもっとコミュニケーションを取って私の任務に付き合って貰わなきゃ。
……そして、最後に記憶を封じ込めないとね。
『近くに大きな建物があるハズでさ、私そこから呪物を取ってきて使わないといけないんだ。サボってるの言わないであげるからさ、悟手伝ってよ』
すっごい嫌そうな顔してるんですけれど…?悪い言い方じゃないんだけれどな。すごくマイルドに頼んだんだけど。物で釣るか、これ…。
仕方ない、とため息を吐きポーチから飴を取り出した。棒付きの飴。それを悟の胸元にぐいっ、と押し付ける。
『飴あげっから!飴チャン貰っとき!』
「飴で釣られねーよ!そんなガキじゃあるまいし!関西のオバチャンかよ!……まあ貰えるなら貰うけど」
持つ手からひったくられるベリーミックスの飴。嫌そうな顔してその場でカサカサと音を立て、ビニールを剥いてポイッ、と森の中にゴミを捨てたのでそれを拾ってしまう。
全く、行儀がなってないわ!
『貰って速攻食うんかい!てかポイ捨て辞めなよ。
……ポイ捨てすると身体が呪霊に変換されてくよ?』
冗談を言ったつもりが、えっ?という顔で口から棒が出た状態(飴は口にとっくに入れてるし)両手の甲や手のひらを確認してる。
少し焦りもあるような…。
「俺、まだ大丈夫か……?」
あまり冗談が通じない頃というか。
悪ぶってるけれど基本的良い人である部分が隠しきれてないというか。苦笑いがこぼれつつもうんうん私は頷いて。