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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第20章 星空の下で愛を語らう


「トイレばりにちっちゃい部屋だねー」
『石油王の感想かー?トイレよりはまだ大きいでしょ。休憩所とか宿直小屋とかそんな感じなのかなー…』

こんなに狭くて荒らされていれば目的のものが既に持ち去られてる可能性がある。
真剣に部屋を見渡す悟。呪物を探してんのかな…?黙っていた悟が真剣な顔でようやく口を開いたけれど。

「これじゃあブンブンチャレンジも出来ないねぇ…」
『ここらに野生の虎はいねえよ?鹿なら居るだろうけど。
……ていうかさ、その悟の任務の目的の呪物ってどういう物?目立つんだったら既に持ち去られてる可能性無い?』

分かるものなら一緒に探すけれど、ヒントをくれないから大きいのか小さいのかすらも分からないし。
悟は、ん?と振り向いて笑った。

「大丈夫、ちゃーんと僕のお目当てのものはあるよ。見てみな、ハルカ」

あれ、と指差すのは床に直置きされた50センチ以上は高さのある金庫。この小屋周辺が森で湿気っぽいのもあってサビだらけ。
おまけに私達みたいな訪問者によって斧などで破壊を試みた痕があちこち残ってる。それでも開かなくて諦められていて。そりゃあこんな小屋の金庫なんてたかが知れてるし、苦労して開けても呪物みたいなモノが入ってたらがっくり肩を落とすだろうし。

「この家の持ち主じゃないんだけれど、置いていったのは恐らくは殺人犯や被害者。ずっと前から持ち主不在のこの小屋でしばらく過ごしたんだろうね。犯人と被害者にたくさん使われて、色んな強い思いが込められたんだ。大切に金庫にもしまわれる程にね。その結果生まれてしまったのがー……、」

私と視線を合わせた悟はする…っ、と繋いだ手を離してギシ、ギッ…!と床を鳴らしながら金庫の前に立つ。

「まっ、金庫って金目のもの以外にも大切なものをしまうからねー、ぶっちゃけ今回の目的は手錠と鍵のセットなの」

『……手錠と鍵?』

思わず聞き返しちゃった。誰がどう聞いても監禁アイテムじゃねえか。というか、事件の重要参考物ではないの?そういったものを放置してるはずがないんだけれど?
しゃがむ悟は取っ手部分に手を掛け、ぐっぐっ、と開けられるものなのかを確認してる。
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