第16章 見掛け倒し
本職は高校教師である男は金の入ったアタッシュケースを抱えながら夜道を走る。
前方からは魔法少女のコスプレをしたような少女、後ろからは黒バイクが追ってきていた。
角を曲がるとそこは行き止まり。
「漫画みたいなセリフを漫画みたいな存在な私が言うとは思いませんでした。「観念しなさい」!」
セルティは脅しで黒い影の鎌を出して男に近づく。
スバルも同じように追い詰めると「返します!返します!」と問題の取り返せといわれていたアタッシュケースをセルティに差し出した時。
ザシュッ。という音がし、刃物によって荷物を受け取ろうと伸ばしたセルティの手首が貫かれていた。
「ー!」
スバルはその光景に青ざめるが、次の瞬間にセルティの首にあたる部分が長い刃物で切られた。
しかしセルティは首が無い上に、切られても平気だということを思い出しなんとかスバルは悲鳴を上げずに済んだ。
すぐさま鎌で応戦するセルティだったが相手は素早く、そんな姿をした者だったのかがわからないまま去っていった。
この街にあんなのがいちゃいけない、と思ったスバルは追跡しようと走り出すがセルティの陰に止められた。
やめておけと言わんばかりに無い頭を横に振り、切られた所をセルティが見つめてた。
「何か…いったい何が居るっていうの…?」
2人が沈黙するとスバルはセルティの後ろに居るはずの男がいないことに気が付いた。
「し、しまった!!」
>>罪歌さんが入室しました
罪歌:人間
罪歌:強者
罪歌:望
罪歌:愛
罪歌:望愛人間
罪歌:望です強者だから人間愛です。
望むですですをだからだからだからだから
罪歌:私
罪歌:私、だから、望む
罪歌:…
罪歌:強い、人間
罪歌:私、愛
罪歌:だから
時は遡り、その日の下校時間になった学校。
スバルは廊下でるいと帝人か正臣や杏里を捕まえて一緒に帰ろうと待ち伏せながら、雑談を楽しんでいた。
話に夢中になっていた2人は教室から出て男性教師と話しているのが見えたので、話が終わってから声をかけようと見ていた。
「…スバル。あいつなんかおかしくないかな」
るいが杏里の方を指さすと驚くことに教師は杏里の肩に手を置いていた。
「…高校生にあんなスキンシップおかしい。行こう、るい」