第15章 4.形影相親
(るる子さん…)
スバル達がやってくる前に緑のフリルのついた女性がやってきて、話をした後にスケッチブックを見て行ったという。
似顔絵描きの絵を見に来たと言うよりは「確認」といった様子だったらしい。
るる子と思われる女性はスケッチブックを見ると似顔絵描きの絵を褒めると同時に、首なしの女性よりも首のない黒い馬について興味深そうにしていたと。
同じく何かをずっと考えている様子だったセルティと別れると静雄と本日の夕食について話しながら帰って行った。
似顔絵描きも暗くて見えない為道具を片付けると帰ろうと公園を出た。
公園を出てしばらく歩くと、とある女子高生とすれ違った。
「!?」
女子高生の顔を見た似顔絵描きは驚いて「君!」と呼び止める、急に声をかけられて驚いている女子高生の顔を確認するようにジロジロと見た。
「そう、この顔だ。美しい…」
情報屋の突拍子の無いお使いに出ていた女子高生の格好をしていた男子高校生、るいは自分の顔を見て涙を流す老人にただただ困惑するしかなかった。