第11章 1.いの一番
倒れた仲間を2人残してバンを走らせて逃走してしまう。
「あ!逃げた!」
急いでバイクに2人で飛び乗って追いかける。
「待ちなさーい!マジックミサイル!!」
バイクの後ろに乗りながら自分の頭上に雷を帯びた玉を数個浮かび上がらせると、バンに向かって放つ。
魔法少女状態のスバルは最高にハイってやつになるようで、セルティを驚かすようなことをしてしまう。
『ドーン!』『ドカーン!』
玉はバンに当たったり道路に穴を開けたり、道路わきの建造物を破壊したり。めちゃくちゃである。
セルティは『中には女の子が乗ってるんだぞ!?』と声を上げたいところだが、こういう時に喋ることができないのは不便極まりない。
「何なんだよー!」
変なエネルギー破を出してくるわ、馬の声を上げながら追いかけてくる2人組に血迷ったのか、急ブレーキをかけた。
「!セルティさん…!!」
急ブレーキによりこちらはバンに追突してしまう。
そのままセルティとスバルは宙に投げ出され、道路に叩きつけられてしまう。
「イヤッハー!!」
地面に倒れている2人を見て喜びのあまりナイフを手に叫ぶ。
しかし倒れたヘルメットの取れたセルティに首がついていないのを見てしまい絶句してしまう。
モソモソとセルティが起き上がると、無い首の切り口からは謎の黒い霧のような煙のようなものが漏れ出ている姿を見て後ずさりする。
「よいしょ!」
魔法少女であるスバルの今の体はマジカルなボディなのでこれしきのことではダメージを受けない。
なので元気に軽やかに立ち上がるスバルを見て「は!?」という声を上げる。
「何なんだよお前ら…」
セルティが黒い鎌を出して振り上げる。
スバルは(あ、この場の出る幕ないから女の子の様子見に行こ)と思いそそくさとバンに走っていく。
バンを開けて拘束をとっていると「何なんだよー!」とい叫びが木霊した。
「お前本当に運がいいぞ!おまけに都市伝説を見れるんだから!」
池袋に来たばかりの竜ヶ峰帝と、街の案内をしていた紀田正臣。
「黒バイクだよ!首無しライダーだよ!」
馬の唸り声がする方向に走っていき、それが来るのを待つ。
そこには仕事を終えバイクで走行しているセルティと後ろに乗っているスバルの姿があった。