第4章 居候
翌朝、2度目のこの世界でこの新羅とセルティの家での起床だ。
「やっぱり、夢じゃないよね…」
怪我はまだ2日じゃあ痛みは変わりがない様子。
あの後、静雄は自分の家でスバルを泊めると言った。
新羅とセルティは物凄く驚いていた様子だったが、筋は通っていたのですぐに黙った。
確かにどういう生活をしているのか微妙に読めない人ではあるが、まだ静雄がこの街でどういう存在なのか知らないのでなにがそんなに驚くのだろうと思っていた。
それに新羅は明らかにセルティが好きなのであまり長居は良くないと思っていた。
そういう訳でスバルは静雄の家にお邪魔することにし、本日はスバルの生活用品を買っておくとのことで日中はまだ新羅セルティの家にいた。
「今日は二人ともいないんだね」
昨日はバタバタしていて、元の世界の仲間たちと連絡が取れなかった。
(ちゃんと報告しなくちゃね。こっちからしかかけられないし)
ブレスレットに魔力をこめて電話を牛にかける。
『スバル!なんで昨日は電話してくれなかったのだ!もうこっちは大変なのだ!』
繋げてからすぐにウッシーへ繋がった。昨日は色々と忙しくて連絡ができなかったと伝える。
『他の魔法少女達が同じようにゲートを作る夢魔を探してずーっと退治してるのだ!特にめるりがスバルを助けようと・・・うう・・・』
どうやらめるりがスバルを一刻も早く助け出そうと学校もほどほどに活動をしているようだった。
他の魔法少女の担当地区に侵入してまで探しているらしく、それを聞いたスバルの目の奥が熱くなる。
魔法少女は多くはないが、そこそこ存在している。
地区の規模によって選定する人数がきめられており、スバルの地区は広いので魔法少女は「スバル」「めるり」「るる子」の3名だった。
めるりはスバルと同じ時期に魔法少女になったので、魔法少女の活動外で会ったことこそなかったが交流も深く仲も良かった。
「めるりに無理はしないでって言っておいて。でもこっちでも、良い人なんでけど人間じゃない人に出会ったの」
牛にも心配かけまいとこれまでの経緯を話した。
この世界にも人ならざるものがいて、もしかしたら何か帰る手段も存在するかもしれないと。
「だから大丈夫。一人じゃないもの、それだけでもかなり大きいよ」