第14章 農業生活十四日目 (R指定)
「楽しかったね、リヒト。」
「そうだね。また、休日にデートしよう。」
元気に頷くと、リヒトは笑ってくれた。あ~、本当にカッコイイ。
夕食はリヒトがオムライスを作ってくれた。私はその隣りでハムと野菜でサラダ作り。スープはキノコ入り。
リヒトの指先が、頬に触れる。
「髪、食べてる。」
「あ、ありがとう。」
「まだ、そんな風に赤くなるんだ。どうすれば、僕に完全に慣れてくれるかなぁ?」
企むような笑顔に、戸惑う私。でも、仕方ないよ。
「そんなの、まだまだ無理だよ。リヒトカッコイイし、その・・・リヒトが好きだから。」
「・・・そっか。なら、仕方ないな。でも、いずれは・・・ね?」
含み笑いのリヒトに、心の中で叫びそうだった。
(そういうところだよっ!!)
「あぁ、今日からお風呂は一緒に入ろう。ね?」
「は、はい・・・。」
逃げられない・・・そう、悟った。
「あ、でも・・・後にしようかな。」
「後?何を?」
ニコニコ笑っているのに、何となく身の危険を感じるのはどうして?それに、いつもより片付けの動きが早い。
そこで、思い出す。これは絶対、この後・・・リヒトは私をっ!?リヒトを見やれば、微笑み返されペロッと舌なめずりする。
あの目は本気だ。気のせいなんかじゃない。このまま気を失わせられないかな。いや、リヒトのことだからそれでも?
えっ?今・・・ハグされてる?一人あたふたしている間に、リヒトに捕獲された様だ。顔をオズオズ見れば・・・怪しい笑みと共に濃厚な口付け。
その後は抱き上げられ、寝室へと運ばれていく。
「リヒト・・・。」
「抱くよ。」
決定事項の様に言われ、私は観念した。リヒトとの行為の中、フト思い出した。あの時、リヒトに目隠しされた事を。あの状況で離れたらルディの×××が。
「他のことを考える余裕があるなんて・・・僕にも~っと愛されたいってことなのかなぁ?じゃあ、望み通りに手加減しないから。」
墓穴を掘った。でも、ルディのことなんて頭から抜けてしまって、ただリヒトからの熱を受けることとなる。
そんな中、リヒトからの愛情を一身に受け止め、幸せを噛み締めていた。私の機微に聡いリヒト。余所見なんて、出来ないくらい。するつもりもないけど・・・。
でも、翌日・・・展開は思いも寄らない方向へと。