第13章 農業生活十三日目(R指定)
リヒトside
僕の熱にほだされ、いつもなら羞恥に赤くなる莉亜は何処にもいなかった。ただ、僕と同じように僕を求めてくれた。
それがどれだけ、僕の熱をもっと熱くさせたのか・・・。
僕も昔は、肌を合わせた彼女はいた。でも、あれはただの義務みたいなものだった。
取り分け、行為が好きでもなかったし、左程、必要性も感じてはいなかった。ただ、精を吐くだけだったんだ。
でも、相手が違うとこうも体も心も違うなんて・・・。いや、そもそも、抱きたいと思うこと自体が初めてだった。
僕だけのものにしたい・・・そう、思う時が来るなんて、あの時の僕は思ってもみなかった。
僕の全てで莉亜が欲しいと、何度も莉亜だけが必要なのだと伝えられた気がする。
相変わらず、僕は人として欠陥している部分があることは認めているし、それを変えようと思ってもいない。でも、それも莉亜が僕と共にあるからこそ。
僕の人としての部分は、全部、莉亜に捧げる。それが、僕の唯一の望み。他には何もなくてもいい。
だから、あんな滑稽なヤツらに、僕の莉亜は渡さない。莉亜は僕が僕の全部で愛して僕だけに繋ぐから。
隣りで穏やかに眠る彼女に微笑み掛け、その唇に口付ける。彼女の全ては僕だけのもの。この執着が間違っていると言われようが、僕は変えない。
只管、彼女を愛しグズグズに嵌らせては逃がさない。そんな事を思っているなんて、莉亜は知らないだろうな。
ごめんね?
こんな僕が、好きになってしまって。
昔の僕が何処かに置き忘れた感情は、莉亜の事だけしか取り戻せなかったけれど後悔なんてないんだ。
だから・・・僕の傍にいて。
僕だけの傍に。
「リヒト・・・。」
「起こしちゃった?」
腕を差し出す彼女を抱き寄せ包み込む。彼女の柔らかく甘い香りの中、僕も目を閉じた。
ーーーおやすみ、僕の莉亜ーーー