第13章 農業生活十三日目(R指定)
えっと・・・今日だけど、確かに今日なんだけど・・・朝からじゃないよね?リヒトのことは好きだし、嫌じゃないんだけど・・・でも、ちょっとこれは・・・。私、まだ起きたばかりだよ?
「おはよう、莉亜。」
「おはよう。」
今、私は組み敷かれている。全体重ではないものの、リヒトの重さをそれなりに感じているのだけど・・・。
「えっと・・・何しようとしてるのかな?」
「う~ん・・・あ、夜の予行練習?」
・・・予行練習って何?初めてじゃないのに、何故?そして、リヒトの顔が近い。吐息がかかるくらいに、リヒトの顔が近い。
不意に舐められた上唇。思わず体を跳ねさせると、続けて下唇に軽く吸い付かれる。顔から蒸気が吹き出しそうである。
「フフ、そんな顔されちゃ、期待している様にしか見えないけど?」
「期待・・・しちゃ悪いの?」
せめてもの抵抗・・・いや、肯定?リヒトは・・・アレ?顔が赤い?
「あ~、僕の負け。流石にこのまま理性飛ばしたら、莉亜にもカミルにも迷惑かけることになる。ここで理性で押し留まれる僕ってえらいよね。でも、このまま引き下がるのだけは癪だから・・・。」
私の首筋に顔を埋めては、幾つかの鈍い痛みを付けられる。気付いた時には遅くて・・・。そして、リヒトは満足そうに眼を細めて薄く笑っている。後悔しても、もう遅い。確認しなくとも、結果など分かり切っている。
「じゃあ、言葉通りに期待しててね。」
半泣きになる私を残して、リヒトは部屋を出て行った。私は知らなかった。部屋の外で、真っ赤になっているリヒトのことを。
そして、首・・・念入りにスカーフを巻く。イケメンだからって、何しても許される訳じゃないんだからっ!!そう思うのに、嫌だなんて思わない辺り、完全に私の負けだと思う。
キッチンへと行くと、既にケビンが来ていた。リヒトに平謝りしている最中だ。きっと、双子のことなのだろう。
リヒトは特別気にした素振りもなく、出禁が必須だとキッパリ言ってのけた。そのことをケビンは了承していた。目撃者も多数いたこともあって、どうにもならい事は分かっているのだろうと思う。
「莉亜にも迷惑かけたな。すまない。」
「そんな・・・私は別に。」
母親を亡くした幼い双子を、可愛がり過ぎたのが原因だと言った。そして、ケビンはこう言ったんだ。