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牧場物語生活へトリップ!?

第63章 春五日


今日はどうやら雨らしい。少し肌寒い朝だ。そして、安定の私の胸に顔を埋めて眠っているアオイ。今朝も、彼のつむじが見える。

「柔らかい?」
「ん、柔らかい・・・。」
「いつから起きてたの?」
「・・・寝てる。」

寝てる人は、寝てるとは言わない。今回もアオイを剥ぎ取ろうとしたけれど、回された腕に力が強くて解けない。

「寒いからくっついていたい。」
「暖を取るだけなら、別にそこじゃなくてもいいんじゃないのかな?」
「・・・分かった。」

あれ?素直。と思ったら、急に目の前に顔が現れて驚いた。綺麗な瞳が、至近距離で私を見詰めている。

「おはよ、莉緖。」
「お、おはよう。」
「じゃあ、おはようのキス。」

今朝は少し深くて甘いキス。そして、私を抱き締める腕は離れてくれない。

「今日も好きだ。早く俺に洗脳されればいいのに。」
「洗脳されたらどうなるの?」
「ん?俺の事が好きで堪らなくて、俺がいなくなったら生きていけなくなって欲しい。」

アオイが病んでる。

「俺は・・・たぶん、もう・・・そんな感じ。」
「えっ?そんな感じって・・・。」
「きっと、口にしなきゃ人の気持ちなんて分からないだろうから、俺はこれが最後の恋だと思ってるから気持ちは全部言う。」

もう、二度とあんな思いをしたくないと、アオイの心が聞こえた気がした。

「だから、莉緖は俺に全力で甘えて欲しい。」
「分かった。でも、アオイも甘えて欲しい。」
「毎朝、甘えてる。」

そうか、あれは甘えているのか。

「ホント?」
「・・・は、半分は邪な事考えてる。」

ここでもオープンだ。本当に正直者で困る。

「いや、2/3は邪かも・・・。」
「もうっ、仕方ないなぁ。これじゃ、どっちが年上か分かんないね。」
「ん?でも、身体を繋げる時は、ちゃんと主導権は貰うけど。そこはやっぱり男としてと言うか。あ~、早く俺にメロメロになればいいのに。そうしたら・・・精一杯気持ち良くするし、愛情注ぎまくるから。」

完全なオープンだ。

「アオイってば・・・。」
「諦めろ。俺は執着するって決めたから。だから、絶対に離してやらない。」

ベッドから起きて、朝食を作る時でも纏わりつくアオイ。たまに、危ないところを撫で回されて驚かされるけれど、嫌だとは思わない。
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