第7章 農業生活七日目 (R若干指定)
朝、そう朝。私は最大限に、羞恥に震えていた。目を開ければ、目の前に蜂蜜色の瞳が私を見ていたから。甘い微笑みを浮かべるリヒトに、私の顔は見る見るうちに赤くなっていく。
そんな私を更に抱き寄せるリヒト。そして、実感させられるんだ。リヒトの体温とお互いに裸体だと言うことを・・・。
「おはよう、莉亜。」
「おはようございます・・・。」
「莉亜、敬語なんて要らない。それに、僕のことはリヒトでいい。僕たち婚約者同士なんだから。」
朝からそんなことを言われると、余計に恥ずかしい。
「後は、そうだなぁ・・・。やっぱり、朝はおはようのキスだよね。って、莉亜?」
「もう無理・・・恥ずかしくて死んじゃう。」
「大丈夫だよ、毎日一緒に目覚めるんだから直ぐに慣れるよ。」
えっ、毎日?毎日って何?
「僕はそろそろ朝食の準備をするから。莉亜、こっち向いて?向いてくれないと、悪戯するけどいい?」
慌てて布団から顔を出したら、触れるだけのキスをされた。拍子抜けするくらいに。そして、リヒトはベッドから出て簡単に身支度しては部屋を出て行った。が、直ぐにドアが開いて顔を出した。
「昨日は無理させちゃったけど、自分で着られないなら僕が服を着せようか?」
「だ、大丈夫・・・でしゅ。」
あ、噛んだ。
「そっか。じゃあ、支度出来たらキッチンにおいで。」
コクコクと頷くと、直ぐに行ってしまった。起き上がると・・・言われた意味を理解した。あんな草食系みたいな顔しているのに、夜は真逆だった気がする。
正直に言って、体のあちこちが痛い。色々と痛い。ヨロヨロしながら自室に戻り、服を着替えた。ん?色んな所が赤い。これってまさか・・・。
「あ~、気のせいじゃなかったぁ。」
リヒトによって付けたられた、執着の賜物と言っても過言ではないキスマークの数々。立派に、見えるところにも付けられている。恥ずかしくて、外歩けない。
スカーフを巻いて、隠しておこう。そして、リヒトには場所を選ぶように言っておこう。そうじゃなければ、私の羞恥は死ぬ。
キッチンに行くと、当たり前だけどリヒトがいた。いつもより、キラキラしている様に見えるのは気のせいじゃないはず。
「リ、リヒト・・・見えるところに付けちゃダメだからね?絶対、ダメだからね?」
「それって・・・キスマークのこと?」