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牧場物語生活へトリップ!?

第62章 春四日


昨日は散々だった。今朝も起きれば、朝が苦手なアオイは何故か私にしがみつくように眠っている。今日とて、アオイのつむじが見える。

「アオイ?」
「・・・ん、まだ眠いし離れたくない。」

アオイの方が乙女かもしれない。離れたくないなんて。

「・・・柔らかい。」

ポツリと呟くアオイの声。私は慌ててアオイを剥ぎ取った。本当に油断も隙も無い。

「あぁ~、残念。」

綺麗な瞳が私を見詰めては色を漂わせて笑う。

「き、今日の予定は?」
「ん~、そうだなぁ。やっぱり、おはようのキスは欠かせないよな?その後は朝食で、午前中は病院。昼からは、デートしよう。俺のこと知って貰わないとならないし?ってことで、一つ目の・・・。」

キス魔が降臨した。でも、お昼からデートしようって言った。ちょっと嬉しい。私もまだ村を散策してなかったし。

朝食の後、「離れたくない・・・」って未練たらたらのアオイを病院へと何とか送り出した。その後は、私は畑に出陣。って、そんなおおごとなことじゃないのだけど。

「ご飯食べたばかりだけど、やっぱり芽キャベツ美味しい。ママの気持ちが分かるなぁ。さて、出荷っと・・・。あ、シアンさんとゴッホさん?」

出荷箱へと行くと、二人が神妙な顔で話しをしていた。声を掛けると、眉を八の字にしたゴッホさん。

「昨日はすまなかった。その・・・話しを聞いてくれるか?」

恰幅のいいおじさんが目をウルウルさせて、私を見る。流石に、無視する事は出来なかった。

「マホもレイチェルも、一軒一軒頭を下げて農家を回ったんだ。辛うじて話しを聞いてくれた農家も、内容を聞いて門前払いだ。そりゃあ、そうだよな。農家を蔑ろにしたんだ。お客さんもガッカリさせてしまったし、何よりも莉緖には恩を仇で返すことになった。本当に申し訳なかった。」

ゴッホさんも、土下座せんばかりの謝罪だ。でも、肝心のレイチェルさんからは何もない。

「ウチの宿屋の売りは、美味しくて新鮮な野菜料理だ。だから、この通り!!高品質の価格でいい、それでどうか卸して貰えないだろか?」
「なぁ、それはムシが良すぎやしないか?肝心のレイチェルは、謝罪すらしていないんだろ?」

苦言を言ったのはシアンさん。まさか、こんな風に庇ってくれるとは思わなかった。








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