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牧場物語生活へトリップ!?

第61章 春三日


提携先が一方的に我儘を通そうとした時に、農家に不利益にならない為の救済措置だった。

「必死だろうなぁ、マホさん。でも、どれだけ頑張っても中品質が精々かもな。それも中品質の価格でだろうが。」

ウチ以外にも高品質を作っている農家はあるだろう。だけど、それをお友達価格みたいな金額で提携するかと言われたら?

「やっぱり、莉緖の家で同棲することにして良かった。あの味を知った後で、品質が下がるなんてガッカリ以外の何ものでもないだろうからな。」
「えっと・・・厳しかったかな?」
「いや?いい薬になるんじゃないか?客相手に値踏みする様な目を向けるのもどうかと思ってたしな。何か興が削がれたし、今日は帰るか。」

病院から出てアオイは施錠しては、私の手を掴んだ。

「あ、そうだ。これ、渡しておく。」
「鍵?」
「あぁ、病院の合鍵。開院するまで片付け中でも施錠しておくから、来た時はこれを使ってくれ。莉緖ならいつ来てくれても構わないし勝手に入って来い。」
「ありがとう。」

病院の合鍵を貰ってしまった。ちょっと嬉しい。

「大丈夫か?」
「えっ?」
「言ったよな?俺には何でも言って欲しいし、我慢しなくていいって。俺は嫌だからな?一方的に我慢されて、去って行かれるのは。」

私がモヤモヤしたりイライラしていた事に気付いてくれていたのかもしれない。うん、やっぱり信じて良かった。

「帰ったら・・・構ってくれる?」
「こういう時にそのセリフって・・・あ~、ホント可愛いなぁ、俺の莉緖は。莉緖が十分だって言うくらい、構い倒してやるから安心しろ。ハグもするしキスもいっぱいしような?」

あ、何か悪戯っ子な顔だ。ハグは兎も角、いっぱいのキスって何?あ、アオイってキス魔だった。

「・・・ホント、ありがとな。信じてくれたのは凄く嬉しい。俺、医者辞めて莉緖と一緒に農業しようかな。そうしたらずっと傍に居られる。」
「だ、ダメだよ。村唯一のお医者さんなんだから。みんなが困るもの。大丈夫、家から直ぐだし。ね?」
「莉緖がそう言うなら。」

これがママが言っていた、執着から来るものだろうか?

「しかし、レイチェルさんのあの顔・・・よっぽどこっぴどく叱られたんだろうな。」

三発殴ったって言ってたものね。女性相手にそれも顔に・・・。マホさんは怒らせない様にしよう。




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