第57章 その後の俺たち
あ~、昔の事思い出した。あの時の事、知ってんだよなぁ。
「理人は・・・私としたい?」
「したい。」
「そっか。・・・嬉しい。」
そう言って笑う莉亜が可愛かった。
「もう少しだけ待ってね。」
「無理強いはしない。幾らしたくても。でも、その時が来たら必ず俺に言って?それまでは・・・ハグとキスで妥協する。」
「フフ、妥協なんだ。」
妥協以外の何ものでもないけど。
「俺が莉亜だけを愛してんの、絶対に忘れないで?分かった?」
「うん、分かった。」
物凄いいい笑顔の莉亜に、少し下半身が苦しい。
「ゲームの中では、子供って絶対に一人なんだよなぁ。」
「ん?あぁ、そうだね。性別選べるんだよね。現実では無理だけど。選ばないって選択もあったけど。」
ま、いいか。何人出来ても。
「どうかしたの?」
「頑張って我慢しようって思ってただけ。ってことで・・・すっごいキスしよっか。」
その一ヵ月後。医者からも解禁されて、俺は莉亜を愛しまくった。やっぱり、莉亜がいい。
我慢している間、取引先や後輩の女性から何度か誘われた事があったけど、やっぱりしたいなんて全然思わなかったし勃ちもしなかった。
ひょっとして、女神様補正?なんて思わなくもないけど、それでも莉亜を抱く度に幸せで大切な時間となった。今でも、俺の全ては莉亜だ。
そして、やっぱり性欲が収まらなくて・・・。ほんの少しだけ、無理させている事に申し訳なさを感じている。だからと言って、止めたくないんだけど。
今日も会社から帰って来て、可愛い嫁と愛おしい子供たちに出向かえられる。子供たちをハグしてから、莉亜を抱き締めキスする。
いつかこの子たちが大きくなった時、俺も子供たちにあのゲームを贈ろうと思っている。そして、俺たちと同じ様に、かけがえのない恋人であり愛して止まない嫁や夫と出会える場となればいいなと思っている。
~おしまい~