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牧場物語生活へトリップ!?

第57章 その後の俺たち


二年後の6月

雲一つない快晴の日に、俺たちの結婚式が執り行われた。健人との合同結婚式は却下して、今日は俺たちが主人公だ。

俺は莉亜に、一つだけ言っていないことがある。

あのゲームの中でのこと。あのゲームには、守り神の女神がいる。ゲームの中で、色々と手助けしてくれるキャラだ。

莉亜は、俺の存在を変には思わなかった。俺もそのことを追求したりしなかった。

あのゲームは、動物を育てるか畑を育てるかの二択。なのに、俺は料理人という立ち位置。普通ならあり得ない存在だ。

それも、俺のゲームの世界なんだから余計にだ。普通のゲームでは、俺は畑を育てる方を選択した。莉亜の様に、あそこまでストイックには遣れなかったけれど。

俺が、父からもらったゲームを起動した時、一番始めに女神と話したんだ。俺自身の幸せを願うなら、莉亜を大事にしろと。

当初は信じてなどいなかった。それでも、女神がお膳立てしてくれたお蔭で、俺は間違わずに莉亜とゲームの中で出会えた。

ハッキリ言って、眩しかった。強くて優しくて弱くて・・・色んな面を見て知って、女神に言われていたことなんて忘れてた俺は、莉亜の傍に居たくて仕方なくなっていた。

あの初めて振舞ってくれたもの・・・甘党じゃない俺ですら、虜にしたもの。何故か、あれが莉亜そのものなんだと思ったんだ。

女神とは、最初に一度だけ会っただけだったけれど、いつも俺の頭の中にいた。

俺が付き合って来た女の子とは違う、普通の感受性を持った女の子。俺を檻の中に嵌めこまず、自由にいさせてくれた。

正直に言えば、女神の言われた通りにするのは癪だったけれど、今では感謝してる。元カノたちには、決して抱かなかった持て余すほどの嫉妬や束縛。

切っ掛けとなった学校の教室で、偶々見えたゲームの画面。つい気になって声を掛ければ、嬉々として話してくれたんだ。その時に、莉亜のパスワードを教えて貰った。

それでも、暫くは忘れていたんだ。思い出す切っ掛けとなったのは、莉亜の元カレのこと。俺の周りから、話しがあがっていた。決まって口にしていたのは、胡散臭いって言葉だった。

確かに、それは俺も感じていた。理由は・・・コソコソと莉亜の親友と会っているのを見たことが何度かあったから。幼馴染み同士だとは聞いていたけれど、ただの関係ではないと言うことは気付いていた。









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