第54章 理人のお仕置き
今年最後の講義が終わり、皆と分かれた。
「ねぇ、理人。さっきの・・・。」
「また、キスして欲しい?」
「えっ?ち、違うよ!!」
つい、全力で否定したら、急に立ち止まった理人。私も足を止め、理人を見上げた。
「俺とキスするの嫌なの?」
「するのが嫌な訳ないでしょう?理人は凄くカッコイイんだよ?あんな色気駄々洩れの理人を誰かに見られたら、絶対に悪い虫付いちゃうんだから。」
あまりのもの私の剣幕に、理人は吃驚した顔をしていた。でも、直ぐにニヤリと笑う。
「これでも、少しは自重してるんだけどなぁ。あんまり我慢し過ぎたら・・・爆発する時が来るかも?って事で・・・家なら問題ないんだよね?だったら、莉亜からすっごいのしてくれたら、もうちょっぴりだけ自重出来る様になるかも?」
「そ、それは・・・。」
何か、もう丸め込もうとしてない?
「俺のお願い、聞いてくれないの?聞いてくれないのなら・・・う~ん、そうだなぁ。駐車場ですっごいの俺からしちゃおうかなぁ。」
「えっ?あ、わ、分かった!!うん、家でね。」
「分かったよ。じゃあ、家でね。」
丸め込まれた。すっごいのってどんなことだろう?不安でしかない。それに、キスだけじゃ終わらない気がする。
そして、帰宅するなり連れ込まれたベッド。
「ね、ねぇ・・・どうして脱がそうとするの?」
「ん?すっごいのされて、それだけで終わる訳ないよね?それに付随して、お楽しみもあるんだし。目閉じてるから、莉亜の思った時のタイミングでいいよ?してくれないなら、お仕置きね?」
パニックだ!!先手を色々と打たれた。それに、もう服・・・脱がされた。理人も脱いでる。
「はい、タイムオーバー。じゃあ、これから俺からの甘いお仕置き味わって?」
理人が服を脱いだ時点で、タイムオーバーとなった。
そして、理人から嬉々としてすっごいキスされた。
翌日の理人のお父さんの会社。ヘロヘロの私と、艶々した理人の両極端な私たち。意味を理解しているらしい、理人のお父さんから苦笑いされたことが、溜まらなく恥ずかしかった。
バイトは、想像通りだった。色々とすり減っているけれど頑張ってみるよ。隣りで、体調も機嫌も良さそうな理人が羨ましい。