第50章 処罰とご対面
「う~ん・・・卒業後は必至だけど、なるべく早い内がいいなとは思ってる。」
「えっ?そう・・・なの?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
初耳ですけど!!だって、あれはゲームの中での出来事だったし。
「主人に似ているなら、きっと逃がしてはくれないわよ?私のようにね?」
物凄いいい笑顔で、理人のお母さんから言われてしまった。そうですか・・・理人のお母さんは、逃がしてくれなかったんですね。
そして、実家でも理人のお父さんが料理を振舞ってくれた。理人がやってくれているかのように・・・。その隣りには、理人がいて手伝っている。
私はというと・・・理人のお母さんとゲームタイム。いいのだろうか?こんなことをしてて・・・。社長自ら料理って・・・。
「あ、そうそう。何なら、卒業して直ぐ結婚するなら、理人に食べさせて貰えばいいわ。私のように専業主婦してもいいんだからね。」
外堀が埋められていく。土じゃなく、セメントみたいな固いもので。この強引さは、理人に受け継がれたのかもしれない。
結婚か・・・。ウチの両親、理人見たら驚くだろうなぁ。慣れて来たとはいえ、今でもその容姿のすばらしさに眩しさを覚えるから。
専業主婦はともかく、就職は最終の選択肢として考えよう。きっと、理人から逃げられないと思うから。
ランチは豪華なイタ飯。リヒトを思い出してしまう。基本的に一度見たものは覚えてしまう記憶力の持ち主。そして、手先も器用。
楽しかった時間も終わり、私たちが住むマンションへと戻ってきた。
「莉亜。」
「ん?」
「俺と結婚してくれる?」
可愛くおねだりする理人に、あざとさなんて感じなくて・・・私は頷いた。私だって、理人と一緒にいたい。
「じゃあ、近々、婚約指輪見に行こう。」
私たちは学生だよ?展開が早すぎない?
「何かお目当てのブランドはある?」
「ううん。」
「そう。じゃあ、俺が利用してる店でいいかな。」
ちょっと付いていけてない。そもそも、学生で婚約って・・・。
「莉亜のご両親には、挨拶はすませているから。」
理人って、用意周到な人間だった!!ごめん・・・お父さん、お母さん。突然で驚かせたよね?
いつのことかと尋ねたら、同棲する時に話したらしい。全然、知らなかった・・・。それでも、気遣ってくれたことは嬉しい。