第50章 処罰とご対面
結果的に、学校に暴露・・・という事より、もっと凄いことになっていた写真。SNSで晒されたあの写真は、早々に削除されたが、特定されるまでそう日数は掛からなかった。
顔や胸元などはモザイクで隠されていたらしいけれど、知っている人が見れば直ぐに分かるものだったらしい。故に、二人は揃って学校からいなくなった。何とも、後味の悪い出来事だった。
あの後、且つての友人たちから擦り寄るかのように接触を図られたけれど、理人たちのガードで叶わなかった。
そして、今は・・・自宅で理人に組み敷かれている最中。明日は、理人の実家を訪ねることになっていると言うのにだ。
「まだ、気にしてんの?で、因みにどっちを?」
「SNSに載せた人も処罰されたけど、やっぱり・・・。」
そう、晒した人も処罰があったらしい。
「自業自得って言ってしまえばそれだけだけど、ああいう内容はいいものじゃないな。特に女性の場合なら猶更。ただ、俺だって我慢しているのに、見境ないよなぁ。」
あれ?何か、聞こえた?ちょっと怖い言葉が聞こえた気がする。
「でも、俺なら場所は選ぶ。見られて燃える趣味は無いし、莉亜の裸を写真に撮るヤツがいたら物理的に消す。」
「そ、そもそも見られるようなところじゃしないからね。」
「分かってる。そこまで見境ない真似はしない。だから、今は俺に集中して?」
時折、リヒトだった時の様な優男っぽい雰囲気を醸し出して来るのが始末に負えない。結局、大事にされているのを理解しているから私も理人に甘くなってしまう。
そして甘くなった結果が、三度の行為だ。終わった後も、私を抱き寄せては甘やかしてくれる。こんなことされたら、怒るに怒れない。
翌朝。シャワーを浴びて、リヒトが作ってくれた朝食に舌鼓してから、実家へと向かった。
私が驚いたのは、実家の広さや眩しい調度品ではない。リビングの豪華な景観にそぐわないゲームの数々だった。そして、リヒトの両親はそれで遊んでいた。仲睦まじく。
両親は確かに優しかった。卑下されることもなかったし、何かを要求されることもなかった。ただ、仲睦まじい両親を目の当たりにして羨ましいと思った。
年齢を重ねても、あんな風にお互いを思いやっていられる日々を送りたい。少々、呆然気味の私に差し出された一本のソフト。