第49章 後期の学校の始まり
時間というのは、当たり前に過ぎていくので・・・今、二か月ぶりの学校に来ています。理人と共に。そうそう、朝から理人の陽キャの友人とその彼女たちにもみくちゃにされてしまいました。
確かに、それぞれの彼女たちはいい人ばかりでした。そして、理人の友達も当たり前に気遣ってくれる人ばかりでした。
つまり、その陽キャたちの中で理人と共に席についてます。私たちを囲むかのように・・・。
「理人、行動が早かったな。もう同棲してんだろう?」
「あぁ、夏休み中に行動しておいた方がいいって思ってな。」
同棲の話しを振ってきた人が、私をあの書店で見つけた人だったと教えてくれた。
「やっと、理人も人並みに執着するものが出来たのは喜ばしいよな。それまでは、こんなイケメンなのに枯れてたもんな。」
そう言えば、性欲がなかったって言ってた。今は、それが疑わしいくらいなんだけど。
「いいじゃない。三浦くんが嵌る女の子よ?貴重でしょ。」
いや、私は一般人であってそう珍しい人種ではないと思うのだけど。
「落ち着いたら、家にもまた呼んでくれ。」
「分かった。」
そう言って、理人が私を見た。
「どうかしたの?」
「性欲って・・・どうやって落ち着かせたらいいんだろうって思ってた。」
いきなりのこの言葉に、周りは固まった後、一斉に笑い出した。私はと言うと、真っ赤になって俯くことしか出来ない。
「抱き潰すくらいしても、少ししたら・・・。」
私は慌てて理人の口を手で塞いだ。
「もうダメだから。そういうこと言わないで。」
「愛されてるね~、莉亜ちゃん。」
「も、もう・・・恥ずかしい。」
彼女たちが、彼氏たちを窘めている。そういう気遣いは凄く嬉しい。
「少しは・・・落ち着ければいいんだけどなぁ。」
私の髪を一束握り締め、口元に寄せて行く理人。
「あ・・・。」
声は小さかったけれど、確かにみんなにも聞こえた気付きだった。最初に気付いた人の視線の先には、元カレと元カレと仲睦まじ気に教室に入って来た元親友。付き合っていることを、隠そうともしなくなったのか。まぁ、どうでもいいけど。
早々に皆は視線を外し、各々に会話を楽しんでいる。そして、私は視線を感じた。きっと、驚いた顔で私を見ているのだろう。あの二人が。
「莉亜。」
「うん?」