第43章 農業生活 夏 十日目
朝・・・快楽で目が覚めた。
「えっ?あれ?」
「おはよう、莉亜。気持ち良かった?」
今の状況を理解して、つい頷いた。
「フフ、素直。僕も気持ち良かったよ。ってことで、シャワー浴びようか。このまま連れて行くよ。」
恒例のシャワーを浴びつつ、ルーティンの濃いキス。
「今日もこれでいっぱい頑張れるよ。ありがとう、莉亜。」
そんなことを言われたら、どういたしましてとしか言えない。でも、いつもリヒトの体力には驚かされる。私も慣れつつあるので、違和感はあるけれど身動き取れない程ではない。
シャワー後、キッチンで目の前のリヒトを眺める。
「どうしたの?そんなに、僕の唇を見詰めて。もっとキスして欲しかった?」
えっ、そんなもの欲しそうな顔してた?リヒトの唇が艶々してて色っぽいなと思ってただけで・・・。目の前から伸ばされたきたリヒトの指先が、私の唇に触れてはその指先をリヒトはペロッと舐めた。
思わずドキッとさせられてしまう。何って、官能的な目で私を見詰めるのだろう?酔ってしまいそうになる。
「後で、たくさんキスしよう。」
ヤバい・・・今回は鼻血出そう。
「可愛いなぁ、僕の莉亜は。真っ赤になってる。」
誰だって、真っ赤になってしまうよ。こんな目を向けられたら、同性だってきっと・・・。もう、朝から甘すぎる。
朝食中、予定通り?たくさんリヒトからキスされてしまった。キスだけで、腰が砕かれそうである。
・・・で、ごめん。ケビンが居たたまれない顔をしていた。私は恥ずかし過ぎて、その場が逃げ出した。せめて、三日毎のケビンが来る日くらいは気にしておこう。久しぶりに羞恥で死ぬ。
日に日に背丈が高くなってくる稲。暑さのせいか、水の減りが早いので水量を増やす。ついでに、肥料も追加しておこう。
さて、次は養蜂箱。何となく?甘い匂いが漂ってくる。秋の収穫が楽しみだ。そして、畑に来た。カミルが汗を流しながら、巨大トマトを収穫していた。
「え、何この大きさ・・・。」
「あ、莉亜さん。お疲れ様です。見て下さい。凄く立派なトマトに育ってますよ。」
直径20cmくらいはあるトマトを手にして、カミルは嬉しそうだ。
「こんなに大きくなったら、収穫が大変だね。大丈夫?」
「でも、ほら見て下さい。」
カミルが指差したのは、普通サイズのトマト。ただ、実っている量が多い。