第37章 農業物語 夏 四日目 (R指定)
うん、一晩中燃えた。そして、朝・・・目覚めた時に、リヒトは隣りにはいなかった。雨だからか、いつもより辺りが暗い。リヒトは、ケビンの対応をしてくれているのだろうか。
私はというと・・・痛いです。もう、色々と。殆ど、いつものことかもしれないけれど。何とか体を起こし、シャワーを浴びていると人の気配と共にリヒトがずぶ濡れで入って来た。
「おはよう、莉亜。今日は凄い雨だよ。ケビンさんからの入荷も、見回りも終わらせたからね。」
「ありがとう、リヒト。ごめんね、遅くなっちゃって。」
「全然、構わないよ。昨晩、莉亜をいっぱい抱けたから。」
明確な言葉に、つい顔が赤くなる。でも、そんな私を見たリヒトは嬉しそうだった。
「莉亜・・・。」
甘い声で、私の名を呼ぶリヒト。顔が近付き、朝から濃密なルーティン込みの愛を育む行為。でも、今日はいつも以上だった。
「川に行きたかったんだけど、来週までお預けだなぁ。」
それは確かに・・・。折角のお揃いの水着だ。私はリヒトの水着姿が見たい。って、私って何か変態みたい。でも、あのいい体を・・・うん、ちょっと変態だったかもしれない。
「莉亜、どうしたの?何か嬉しそうな顔してるけど。」
「えっ?」
まさか、邪なことを考えていたなど言える筈がない。
「あ、そ、その・・・最近、落ち着いたなぁって思って。ほら、ジーナとかパルマのこととか。色々あったでしょ?」
「あぁ、レントにかなり辛辣なこと言われたみたいだよ。ローランさんやクベルから聞いたんだ。人見知りしないしどちらかと言えば社交的だけど、我慢して合わせるタイプじゃない。嫌なことはハッキリ拒絶しているって。」
そう言えば、この前町で会った時もそうだったような・・・。
「じゃあ、諦めたの?」
「レントに対してはみたいだけど・・・。」
うん?気になる言い方だ。つまり、矛先が変わった?でも、カミルの事はリヒトが庇うだろうし、カミルも大概辛辣だ。じゃあ、誰?
「ねぇ・・・まさかと思うけど、ルドさん?」
消去法で、そこへと思い至った。コーラルはあり得ないだろうから。
「うん、正解。でもね・・・守ってくれる人がいるから大丈夫みたいだよ。ルドさんの思い人、竹を割ったような人だから。」
そう言えば、この村に戻って来るとか言っていたような?じゃあ、戻って来てるってこと?