第36章 農業生活 夏 三日目
例の如く、カミルがご機嫌斜めになっていた。リヒトが持ち帰った2個も含めての完売の原因は、ローランだった。お腹壊さなければいいんだけど。
「カミルくん、ストックはあるから大丈夫だよ。夕飯の時にリヒトに出して貰うからね。」
「あ、ありがとうございます。・・・嬉しいです。」
可愛い・・・カミルがハニかんでいる。でも、3㎏×3個あったヨーグルトが完売って・・・。今日の夕飯は、みんな大好きハムカツメイン。デザートは、カットした桃を更に入れたヨーグルト。
小さな声で、「甘党をカミングアウトして良かった・・・」と呟いていたのは、スルーしておいた。食事後、カミルを見送り入浴タイム。
「莉亜・・・あのヨーグルト、別味で頼みたいんだけどいいかな?」
「リヒトがお替りするって珍しいよね。」
「ヨーグルトって思ったより安価設定なんだけど、果実を入れると付加価値が上がるんだよね。それに、味がいい。僕としては、葡萄がいいかな。でも、メロン・・・売れると思う。」
メロンね・・・確かに。私も食べたい。
入浴後、果実水を飲んで寝室に行き、ベッドにダイブした。そして、その上に覆いかぶさるリヒトの体。
「今日は一回目の週末だね。」
「一回目?・・・あっ!?」
そっか、週休二日になったんだった!!つまり・・・。
「き、昨日した・・・よね?」
「うん。今日は・・・もっと、莉亜を食べていい日だよね?」
この為の体力づくりもあるのではないか?と、思うようになった。言葉でも勝てないし、力でも叶わない。いや、全力で拒否ればいけるのかもしれない。
でも、そうなったら、リヒトは悲しむ?独りよがりならお断りしたいけれど、何処までもトロトロにされるんだよね。それに、恍惚な眼差しをしたリヒトの顔は、見られるだけでご馳走様って言いたくなるくらい色っぽい。
更に言うと・・・最近、胸囲のサイズが変わった気がする。これも、リヒトの恩恵かもしれない。
「か、可愛いがってね?」
リヒトの瞳が大きくなった。言う言葉を間違った気がする。でも、とびきり嬉しそうな微笑みを浮かべるリヒトを見て、まぁいいかって思う私。
「勿論、いつもより2割、ううん、3割増したっぷり可愛がってあげる。だから、僕に全部頂戴。」
夜が更けていく中、二人の甘い声が部屋の中に響き続けた。