第36章 農業生活 夏 三日目
目覚めた時、何故か二人とも裸体。そして、私の体には違和感しかない。ついでに言えば、体のあちこちに所有印が付けられていた。リヒトは・・・珍しく熟睡中。
何に疲れたのかなんて、一目瞭然だ。ただ、私にその時の記憶がない。つまり、寝ている相手を玩具?にしたってこと。リヒトらしくない。
リヒトの腕から出ようとしたけれど、それを阻止するかのように腕の中に留められていく。無意識のままのリヒトによって・・・。心拍数は変わらず穏やか。ここまで深く眠っているなんて・・・。どれだけ食べられたんだろう?
熟睡中だから、少しはいいだろうか?リヒトの引き締まった腹筋をサワサワ・・・サワサワ・・・そして、トドメにサワサワ。感無量である。
チラッと顔を見ると、バッチリ目が合った。どうしてか、微笑まれている。嫌がられるよりはずっといいのだけど・・・何か、ちょっと恥ずかしい。
「お、おはよう、リヒト。」
「おはよう、莉亜。昨晩はありがとう。いっぱい食べさせて貰ったから。寝てても甘い莉亜の声は、ちょっぴりゾクゾクさせられたかな。」
朝からキラキラしてる。瞳だけは、キラキラに濁音が見え隠れ・・・。そうか、そんなに堪能したから体が痛いのか。
「でも・・・やっぱり、意識がある時がいいな。莉亜の可愛い啼き声を、もっと聞きたいから。今晩は起きている莉亜が欲しいなぁ。」
これは、夜のお誘いの予約?で、朝からルーティンをこれでもかと味わってシャワーを浴びる。
それにしても、リヒトの体は綺麗だ。背も高いし、体も引き締まっている。神様ありがとうレベルだ。
「僕が欲しくなった?」
「えっ、あ、そ、そういう訳じゃ・・・。」
つい、ジロジロ見ちゃったかも?
「そういう気分になったら、いつでも言って?」
嫌々、そういう気分ってどんな気分なの?取り敢えず、肯定しておいた。反論は何となく危険を感じたから。
今日とて、リヒトが朝食を作っている間、リヒトの容姿を堪能。いつまでも見ていられる。他の住人もイケメンはいるけれど、好みのど真ん中はリヒトだ。
浮気?余所見?そんなのありえない。だって、好みがど真ん中だから、気が去れることがない。その代わり、リヒトをずっと見ていたい。
「フフ、今日は取り分け莉亜の視線が熱く感じられて嬉しいなぁ。」
そんなに熱っぽく見ていたのだろうか?自分では分からない。