第33章 農業生活三十日目 後編
「この表を莉亜も見られる様に、キッチンに置いておくから。たまに確認してくれる?」
「うん。加工品なら、手伝うからね。」
「ありがとう。さぁ、お風呂に行こうか。」
当たり前になった二人での入浴タイム。それでも、まだちょっぴり恥ずかしいけれど。リヒトの方は、全然隠さないのだけど。リヒトもアレなの?自信家だった?
二人で湯船に浸かりつつ、私はリヒトに言葉を投げかけた。
「良かったね、お店再開出来るようになって。」
「莉亜のお陰だよ。いつも僕に幸運をくれてありがとう。」
幸運だなんて、ちょっと照れくさい。
「だから・・・ずっと僕の傍に居て。ずっと、ずっと・・・。」
「勿論だよ。明日からお店が始まるから、今日は早く休もうね。」
「嫌だよ。」
即答!!そして、反論??
「明日からお店が始まるからこそ、莉亜を堪能して英気を養わないとね。」
だから、早く寝るのを諦めて?なんて、言葉が聞こえた気がした。そもそも、お尻の辺りに何かが存在感アピールしてるし。
「正直言って、明日からのお店のことで気持ちが高ぶっているんだよね。だから・・・ごめんね?」
何がっ!?何に謝ってるの?
「アレ?耳まで赤くなってるけど、逆上せちゃった?そろそろ出ようか。冷たい果実水でも飲んでから、莉亜も僕を堪能してね?」
そう言って、頬にキスされた。あ~、砂糖吐いた。
お風呂上がりの果実水。今回の味は甘酸っぱい苺味。ヤバい、美味しくて進む。で、隣りで同じ様に飲みながら、私の腰に腕を回して逃げられないようにされてる気がする。
「さぁ、そろそろ寝室に行こうか。あんまり焦らされると、何しちゃうか分からなくなりそうだからね。」
何ってことを言うんだ。それに、焦らしてなんかないんだけど。何しちゃうって・・・何?
リヒトに手を引かれ、ドナドナされていく。勿論、拒否なんて怖くて出来ない。
「お風呂・・・入ったばかりなんだけどなぁ。」
「う~ん・・・朝風呂になったらごめんね?」
心の中で、盛大に悲鳴を上げた私。入ったばかりとか、もう何も言わないから程々でお願いしますっ!!
が、頑張れ私!!