第32章 農業生活三十日目 前編
パチッ!!目が覚めた。いつもの様に、リヒトの温もりを感じるベッドの中。昨晩の途中からの記憶が無い。でも、リヒトと一緒だから心配はないと思う。
アレ?服・・・着ていない。でも、体には変わった感じもしない。じゃあ、どうして?私だけなら未だしも、リヒトも・・・うん、着ていない。
「リヒトの肌、スベスベ~。ついでに、スリスリしとこ~。」
「フフ・・・おはよう、莉亜。朝から可愛いことしてくれてありがとう。ってことで、一回しちゃおうか。」
いきなり組み敷かれ、朝のちょっぴり濃厚なルーティンを・・・ルーティンどころじゃなかった!!今って・・・朝だよね?うん、明るい。
「リ、リヒト?今、朝だよ?」
「知ってる。でも、愛を育むのに朝も夜も関係ないでしょ。それに・・・昨日の夜、あんなお預けさせられたんだから、僕にご褒美あってもいいと思うんだ。だから、止めないから。」
朝から、思い切り食べられた。何だろう?お預けって・・・。しちゃった後、リヒトから昨晩の説明をされた。勿論、平謝りした。そして、服を着ていなかった理由も分かった。
まさに、自業自得だった。よく、リヒトは我慢したと思う。
今はキッチンで、二人で朝食作り。少し色々と削られたけれど仕方ない。お酒は気を付けよう。要注意だ。
「カツサンド?朝から珍しいね。」
「あ、うん。朝から体力使ったからね。」
ピシッと、固まる私。
「つ、疲れちゃった?」
「ん?もう一回、したかった?言ってくれれば良かったのに。何なら、今からでも全然いいよ?」
また、固まる私。
「か、カミルくんが来る日だよね?」
「少し待ってて貰えばいいから、大丈夫だよ?」
本気?今の言葉、本気なの?
「冗談だよ。まぁ・・・し足りない部分だけは真実だけど。」
「よ、夜にね?ね?」
「分かったよ。夜なら、今日してもいいんだね。」
何か違う・・・。私、間違えた?リヒトは相変わらずべったりで、一緒に食事する。朝のカツサンド、美味しかった。色々と削られたものが、補充された気がする。
「今日の夕食に、松茸のフルコースを作るから楽しみにしてて。」
「うん、楽しみにしてる!!」
と言っても、そこまで松茸が好物!!って訳ではないのだけど。現実では、そう気軽に食べられるものじゃないから、その点だけとっても楽しみ。