第25章 農業生活二十四日目 後編
レントが宿屋の前のベンチで寛いでいた。
「あ、お二人さん。デート中?」
「そうだよ。レントは休憩中?」
「まぁね。そう言えば、パルマ見掛けた?野菜が欲しいって、女将さんが言っていたんだよね。」
マイペースなレントは、ある意味強者かもしれない。毒吐くけど、仕事となれば普通に接することが出来るものね。
「商店の近くに、パルマならいたけど。」
「あ、そうだなんだ。じゃあ、行ってくる。」
軽やかに走って行ってしまったレント。
「そろそろ帰ろうか。」
「そうだね。」
家に到着すると、ジルドが丁度、家から出て来た。
「今日の分はこれで終わりだ。また、明日な。」
「「ありがとうございました。」」
ジルドたちを見送り、リヒトは夕食の準備へと。私は畑の甜菜を見に行った。畑作業をするコーラルを想像出来ないけれど、何とか上手く収穫できるようになるといいなと思う。
辺りを見回すと、畑の端に植えている花でさえ立派に育っている。品質の問題なのかな・・・なんて思いつつ、リヒトの元へと帰って行く。
「どうだった?」
「うん、明後日には収穫出来そう。」
「それは良かった。まぁ、村の事は村長も色々と手を打つと思うから、莉亜は今のままで頑張って。」
気遣ってくれるリヒトが嬉しい。
やっぱり、シード機って凄く重要だなぁ。買って良かったと強く思う。
「って、リヒト・・・今日は葉野菜のサラダなんだね。」
「うん、聞いたら食べたくなって。」
ごめん、コーラル。この葉野菜のサラダの状況、とても見せられない。山盛りだし・・・山盛りだよ。
美味しく頂き、ロールキャベツはお替りまでしてしまった。
少しずつでも、どうにか改善されていくといいなと思う。村長は何か対処をしてくれるのだろうか?
私たちは、いつもと変わらずに食べて、飲んで食事を楽しんだ。
その後は・・・リヒトと抱き合って、イチャイチャして眠ってしまった。