第21章 農業生活二十一日目
「あ~、夕飯は何かしっかりしたものを食べたい気分だな。」
「どうして?」
「体力使うことするから。」
ペカーッと王子様スマイルのリヒトに、唖然とする私。
「一分でも一秒でも早く、莉亜が欲しいなぁ。」
「し、しっかりご飯食べないとね?」
「勿論だよ。」
帰宅するなり、直ぐに夕食の準備に取り掛かるリヒト。そして、今日の夕食は焼肉だった。いつもより食べっぷりがいい。段々と、遠い目となる私。
あ~、本当に肉食獣みたい。お風呂でも撫でまわされたし、色んな意味で精神をすり減らされた気がする。
その後は・・・言葉通りに組み敷かれる始末。あんなに夜通しして、睡眠も殆ど取っていないのにこのパワーはどこから来るのだろう?
「あれ?他の事、考えているみたいだね。そっか・・・僕の執着がまだ足りないってことだね。そっかぁ・・・じゃあ、後10回イクまで楽しもうね?」
声にならない悲鳴が上がる。
「もう、無理だよ・・・。」
「大丈夫だよ。足りないなら、もっとイカせてあげるから。だから、僕を受け入れて?嫌だなんて言わせないけど。」
今は笑顔が怖い。
「ほら、ココ好きだよね?莉亜の中ピクピクしてる。じゃあ、気持ちよくなろうか?」
またしても、声にならない悲鳴があがる。
「フフ、またイッたね。可愛いなぁ、僕の莉亜は。」
リヒトの方は、ご満悦である。さっきから、汗だくなのに全然腰を打ち付けるのが止まらない。それに、私のいい所を全て知られている気がする。
「リヒト、もうダメだよ。壊れちゃうからっ。」
「僕を大事にしていいんだよね?だから、諦めて。それに、壊れたとしても大丈夫。ううん、壊れて僕に依存すればいいよ。ずーっと、ドロドロになるくらい愛してあげるから。ほら、また締まって来た。また、イキそうだね。」
何度も無理だと言ったけれど、結局、リヒトの気が済むまで留まることは無かった。まさしく、腰砕けである。
それにしても、私を見る蜂蜜色の瞳に捉えられたら、もう逃げられない今晩も、睡眠不足になりそうな気がする。
リヒトには、ちゃんと休んで欲しいんだけどなぁ。
でも、こんな風に好きな人に求められるのは嬉しい。嬉しいんだけど・・・そろそろ解放して欲しい。
目で訴えてみたけれど、熱を帯びた瞳に微笑み返されただけだった。