第21章 農業生活二十一日目
オールナイトです。一睡もさせてくれませんでした。蜂蜜色の瞳が今も、恍惚で幸せそうな笑みと獰猛さを隠さない笑みとをブレンドしていて私は息も絶え絶えです。
リヒトのしなやかな手が、私の肌を撫で回し、時折、キスマークも増えていってます。でも、快楽を全身で味合わされた私は、リヒトに全てを委ねていました。
「少し休もうか。」
「うん・・・。」
「お昼からは、お祭りに行こう。その時に、新しい住民の紹介もあるようだから。」
疲れ果てた私は、早々に意識を手離した。リヒトに撫でられる頭が心地よくて、どうやら寝ながら笑っていたらしい。
数時間後、私は目を覚ました。想像はしていたけれど、隣りにリヒトの姿は無かった。
「任せっきりになっちゃった・・・起きよう。」
シャワーを浴びてから、一階へと下りていくと作業場にリヒトがいた。朝と昼兼の食事の用意をしてくれている様だ。
「おはよう、リヒト。」
「おはよう。眠れた?」
「うん。リヒトはちゃんと寝た?」
リヒトはニッコリと笑っている。
「実をいうと余り。気持ちが高揚し過ぎて。今も少し・・・。」
「えっ?」
「あ、そうだ。キスしよう。」
具体的なセリフのリヒトに、私は驚いた。ルーティンとは言わないんだ・・・。それに、もうされてるし。
「ん、やっぱり莉亜とのキスは気持ちいいよ。続きしたいけど、顔合わせもあるから残念だけど行かないとね。あぁ、畑の見回りもしておいたから。」
「あ、ありがとう。」
「夜には、また莉亜を頂戴ね。」
え、まだするつもり?
「リヒト、寝てないんだからダメ。」
「へぇっ・・・僕を拒むつもり?」
近い、近いっ!!
「じゃあ、今から続きしようかなぁ。別に僕は顔合わせなんてどうでもいいし。莉亜に悪い虫を近付かせたくないからそれでもいいか。」
「わ、分かったからっ!!よ、夜にね?」
「莉亜がそういうなら。さ、食事しようか。」
夜通しだったのに、何でこんなにリヒトは艶々しているのだろう?あんなにたくさん汗かいていたのに・・・。
「あ、このシューマイ美味しいっ!!」
「良かった、そう言って貰えて。僕は莉亜が一番美味しいけど。」
思わず、シューマイを吹き出しそうになった。ついでに、角砂糖も吐いた気がする。でも、リヒトは幸せそうだ。その事だけは、私も嬉しい。