第19章 農業生活十九日目
二人同じ様なことを言っている。顔を見合わせて笑った。
その後、予定通りに数種類のソーセージを作り、燻製機に設置して夕方になった。リヒトにハグされ、色んな所にキスされていた。
が、途中で動きが止まる。リヒトの視線を追って、私は固まった。
「お疲れ様でした。今日の作業は終わりですね?」
「ちょっと確認したいことがあったんだが、まぁ、明日でもいい。」
「そうですか。では、明日で。有難うございました。」
追い返す様に笑顔で言ってのけたリヒト。ジルドの顔は見られなかった。こっちも神経すり減ったけど、その量はジルドの方が多い気がする。
「リヒト・・・ジルドさんに冷たくない?」
「邪魔されたんだから仕方ないんじゃないかな。今のが、ジルドさんじゃなくて他の誰でも同じ対応したと思うよ。」
そう言われたら、もう何も言えない。
「リヒト、作業が終わるまで・・・。」
「嫌だけど?」
ねぇ、まだ最後まで言ってないよ。
「程々にね?」
「僕に程々なんて言葉は無いよ。莉亜のこと愛しているから、諦めて。さ、そろそろ夕食にしようか。」
ジルド・・・ごめんなさい。私では、リヒトを止められなかった。
「あ、でも・・・明日は、莉亜をたくさん可愛がっていい日だよね?だったら、昼間はほんの少しなら自重出来るかも?」
ニッコリ笑って、私の額に口付けたリヒト。
明日は週末。そう・・・週末だ。
「それと、一つだけ僕のサイズくらいのソーセージを作ったから、莉亜が食べてみてね?本当に食べ切れないかどうか、実証したいから。」
私の顔が、見る見るうちに赤くなっていく。いつの間に、作ったんだろう?それより、リヒトのサイズって・・・。
もう、色んな事が恥ずかしい。
でも、拒否できないんだろうなぁ。明日になるのが怖い。それでも、リヒトのご飯を食べて、いつもの様に眠って・・・朝からじゃなければいいな。
そう・・・朝からじゃなければ。