第18章 農業生活十八日目
「厄介って?」
「ジーナの友人のパルマの恋人が、ジーナの浮気相手。」
えっと・・・仲がこじれまくりだ。パルマなら、私も知っている。友人に裏切られるって・・・。チクッと胸が痛む。
それを察したかのように、リヒトは穏やかな口調でこう言った。
「僕は一生、莉亜のものだよ。」
「リヒト・・・。うん、ありがとう。」
リヒトの顔が近付き、唇が重ねられた。
「あ~、残念。」
「えっ?何が?」
「下にはジルドさんたちがいる。したくても出来ない。」
えっと・・・したい?何をと聞けない。いや、聞いてはいけない。
「少し早いけど、帰って貰おうかな。」
真剣な顔で、そう言い放つリヒト。もう少し気を利かせたらとか、色々と独り言を言っている。
ここは、スルーだ。聞こえなかったフリに限る。只でさえ、恥ずかしい思いを何度もしたんだ。情事を見られるなんて、絶対に嫌だ。
確実に死ねる気がする。
「莉亜?」
「えっ?」
「やっぱり、早々に帰って貰えるように話してくるよ。」
私は慌てて、リヒトを引き留める。
「どうして止めるの。僕は莉亜が欲しいんだよ?」
そんな切実そうな顔で、訴えかけて来ないで欲しい。
「ま、まだ、夕方だし・・・。」
「ねぇ、したい。その気じゃないなら、僕がその気にさせるから。」
お願いだから、詰め寄って来ないで欲しい。
「よ、夜がいい。二人っきりで誰にも邪魔されないところで、リヒトに・・・愛して欲しい。そ、それじゃダメ?」
「・・・分かった。」
渋々だけど、納得してくれた。
「莉亜のお願い聞いたんだから、僕のお願いも聞いて欲しいな。」
「うん。勿論だよ。」
「そう・・・その言葉、忘れないでね?」
今晩は、睡眠時間削らされるのだろうなぁ・・・。言いくるめられて、リヒトに抱き潰されそうな気がする。
あ~、リヒトってイケメンだもんなぁ。真剣な顔で言い寄られたら、拒否できる自信なんてない。
「楽しみだなぁ。早く夕食食べて、一緒にお風呂入った後は・・・じっくりと愛してあげるからね。あまり寝かせてあげられないと思うから、覚悟してて?」
「は、はい・・・。」